販促活動を行うとき、まず始めに思い浮かべるのがチラシではないでしょうか。
チラシは販促手法の王道とも言え、どのような業界でも効果を発揮することができます。
しかし、作り方を間違えると、せっかくチラシを撒いても何の効果もなかったなんてことになりかねません。
そこでここでは、エステ・サロン向け反応が取れるチラシの作り方に焦点を絞ってお話していきましょう。
あなたがこれからチラシを作るなら、絶対に押さえておいて欲しいポイントですので、ぜひチェックしてくださいね。
チラシ投入までの基本スケジュール
チラシはすぐには作れない
チラシを作成するときに注意すべきことはたくさんありますが、はじめに注意しなくてはならないのはチラシ投入までのスケジュールです。
チラシを撒こうと思い立っても、そんなすぐに実施できるようなものでもないのです。
特にオープン時は、何もないところから作成していかなければならないので、2ヶ月程度は余裕を持って準備をしていくことが理想です。
期日を決めて、チラシ投入までのスケジュール必ず立てるようにしましょう。
では、チラシ投入までの過程を時系列で追って解説します。
まず始めに、チラシの企画を決めなくてはいけません。
どの商品をメインでアピールするのか、イベントを告知するのか、などといったことを決定します。
企画が決まれば、チラシを作成する業者を選びます。
チラシを作ってくれるところは、印刷会社からデザイナーまでたくさんあり、どこに頼むかによってチラシの反響率が変わってきます。
これまでの作成実績や集客実績を比較検討して、集客できるチラシを作ってもらえるところにお願いしなくてはなりません。
そして、チラシにかける費用と配布部数を決めます。
配布商圏、回数、印刷代、折込み代やポスティング代を年間販促費用の範囲内で試算し販促費用を算出します。
これら全てが決まったら、原稿を書いてみましょう。
チラシの作成をお願いする場合でも、原稿があればこちらのイメージがスムーズに伝わります。
チラシ投入の1ヶ月前までには、チラシの内容を打ち合わせし製作に入ってもらいましょう。
打ち合わせ後、1週間程度で校正原稿が出来上がるので、文字などの間違いやレイアウト、カラーのチェックなどを行ないます。
特に店名や住所、電話番号の間違いは致命的ですので細かくチェックしなければなりません。
必ず効果を検証する
チラシ販促期間が終了した後には、必ずチラシによる新規客数を検証しなくてはなりません。
これをやらないと、そのチラシを今後継続していいか判断することができないのです。
反響は、イベント内容や打ち出し内容によることはもちろん、季節や曜日によっても変化します。
チラシを撒くごとに、様々な角度から企画を作りデータを蓄積しておくと良いでしょう。
これらのデータは、今後のチラシを考える上で重要な指標となります。
チラシの撒き方による違いとは?
チラシを撒く方法としては、新聞折込みとポスティングが一般的です。
ここではそれぞれの特徴を紹介していきましょう。
・新聞折込み
最近では、若年層の新聞離れが非常に激しくなってきています。
今や、インターネットやテレビで十分情報を得ることができる時代なのです。
そのため、若年層をターゲットとするなら効果は期待できないでしょう。
ただ、新聞を取る人が減ったとはいえ、新聞折込みは確実にお客様のもとにチラシを届けることができます。
また、新聞に折り込まれていることにより、安心感や信頼感が出るメリットもあります。
中高年をターゲットとする場合は、まだまだ主力の方法といえるでしょう。
・ポスティング
最近では、業者に依頼してポスティングを行なうことも多くなっています。
地域を指定して満遍なく配れる部分はメリットがあるといえるでしょう。
ただし、本当に配っているか実態を確認できないので、信頼できる業者を選定することが不可欠となります。
また、配布単価が折り込みチラシより高いので費用対効果をよりシビアに見る必要があります。
暇な時間や開店時間外を利用し、スタッフによる計画的なポスティングを行っているお店もあります。
まず、これまでに来店のあったお客様の住所を住宅地図にプロットします。
この分析により、来店数が多い地域を対象エリアとして設定します。
次に、対象エリアを細かく住宅地図とすり合わせ、より詳細なポスティング実施計画を立てます。
重複や漏れのないようにブロック分けをし、誰が、いつ、どのエリアを訪問するかまで落とし込みます。
このような地道なことを継続的に行なうことが、経営を安定させるポイントとなるのです。
当たるチラシをつくる6つのポイント
エステやリラクゼーションサロンにおいて効果の高いチラシをつくることは、それほど簡単なことではありません。
行ってみたいと思わせる企画に加えて、お店のイメージをチラシで打ち出す必要があります。
また、コンセプトもしっかり伝えなければなりません。
ここでは、少しでも効果の高いチラシを作るため、押さえておくべき6つのポイントを紹介していきましょう。
①チラシの企画は自店らしさを出す
チラシの目的は、当然ですが来店してもらうことです。
しかし訴えることが明確でないと、チラシで反応を得ることはできません。
ここで重要となるのは、コンセプトとターゲットを明確にした企画を作ることです。
割引等の安易な企画にばかり頼っていては、いつまでたってもお店は成長しないでしょう。
あなたのお店らしさを全面に出すことを、第一に考えてください。
②チラシの良し悪しはタイトルで決まる
この忙しい時代に、チラシをゆっくり見てくれる人なんかいません。
興味がないものは、見られることなくゴミ箱行きなのです。
ではどこで興味のあるなしを判断しているかというと、チラシのタイトルです。
タイトルが悪ければ、どれだけ内容にこだわっても読まれることはありません。
そのため、タイトルを見てどのようなメリットがあるか明確になっている必要があります。
③行動心理学に基づくレイアウト
レイアウトには優先順位があります。
行動心理学によると、チラシを見る人の目は「Z型」に動きます。
つまり、最初に目に入る左上と、最後に見る右下が一等地ということになるのです。
そして二等地が右上、三等地が左下ということになります。
レイアウトを決める際は、このことを考慮しなくてはなりません。
④清潔感を与えるチラシの紙質
紙質なんか関係ないと思うかもしれませんが、リラクゼーションサロンのチラシにおいては重要な要素となります。
なぜなら、清潔感をチラシでアピールする必要があるからです。
清潔感を出せる紙は、何がベストかと言うと「コート紙」です。
コート紙とは、表面がつるつるしていて光に当てると光る素材の紙です。
コート紙なら、清潔感を出せるだけでなく、ハイイメージの雰囲気を出すこともできます。
ザラ紙は安価ですが、安っぽさが出てしまうためオススメできません。
⑤効率のよい用紙サイズ
一般的に良く目にするチラシのサイズは、B4サイズだと思います。
これは、B4サイズが新聞にちょうど折り込まれる大きさになっていて、見る人の目に留まりやすいためです。
また、大きさの割には折込み料金が安い場合が多いのも理由の一つでしょう。
回数を重視する場合は、より割安なB5サイズでも良いですが、掲載できる情報量が少なくなるので注意が必要です。
⑥イメージをしっかり落とし込む方法
イメージはセンスに左右される部分が大きいので、素人ではなかなか難しい部分があります。
特にリラクゼーションサロンにおいては、色使いが重要となります。
数パターンの色でチラシの原稿を作ってみるとわかりますが、同じ内容の原稿でも色身が違うだけで、全く違う内容に見えるほど色の影響は大きいのです。
リラクゼーションサロンの場合、寒色より暖色の方が、反響率が良いといわれています。
高級感を出したい場合はバリ風のオレンジとこげ茶を組み合わせた色使い、若いターゲットを狙う場合はピンクや赤などを主体とした女性雑誌風の色遣いをすると、反響が高くなるケースもあるようです。
業界にとらわれず、「このチラシはいい」と感じたチラシや雑誌を集めておいて、それを自分のチラシのイメージに使うことも良い方法といえるでしょう。
また、施術を受けている写真も必要です。
フリーで使えるものもあれば、販売されているものもあります。
しかし、リラクゼーションサロンにおいて、イメージ写真は非常に重要となるため、できれば専門のカメラマンに撮影してもったほうが良いでしょう。
被写体は実際のお客様がベストですが、スタッフやオーナーがでも構いません。
ただし、被写体はターゲットに近い人でなければいけません。
例えば、中年層がターゲットなら、中年層の方を被写体に選ぶようにしましょう。
当たるチラシの共通点
チラシを打つ目的は、チラシを見た人に来店してもらうことです。
これを実現するためには、「この店に行こう!」と思ってもらわなくてはなりません。
そのために最も重視しなければならないのは、自店の特徴を全面に打ち出すことです。
これまで結果を出してきたチラシは、特徴を表現するために以下の5つのポイントを押さえて作られています。
①誰が対象となるのか?
エステやリラクゼーションサロンに通う人は、何か目的を持っています。
例えば、お腹周りを痩せたい、肌を綺麗にしたい、疲れを癒したいといった具合です。
サロンによって特徴は異なるので、自分の願いを叶えてくれるかどうかはお客様にとっては気になります。
そのため、チラシには自店の対象となるお客様を示しておかなければなりません。
例えば「お腹周りが気になり始めたあなたへ」「肌年齢を10歳若返らしてみませんか」といった感じです。
これにより、「このサロンなら私の願いを叶えてくれる」と思ってもらうことができ、来店に繋がるというわけです。
②実績を証拠と共に示す
長年お店を続けているのなら、「地元の皆様に支えられて15年」といった表現でお店の実績をアピールしましょう。
地域密着で長くお店をやれているということは、顧客満足度が高い証になります。
大事なのは、経歴と実績数字です。
例えば、「15年間マッサージ一筋、人の身体を知り尽くした店長がお待ちしています」「おかげ様でご利用者数1万人突破」といった感じです。
特に人数を入れておくと、人気店であることをさりげなくアピールすることができます。
また、実績を表現するのに最も効果を発揮するのは「お客様の声」です。
特に、お客様と一緒に写った写真と同時に使うと効果は抜群です。
常連さんや仲のいいお客様にお願いして、定期的に集めるようにすると良いでしょう。
③サービス内容を明記する
一言でエステやリラクゼーションサロンと言っても、その種類は多種多様です。
そのため、サロンのサービスの特徴をしっかりと明記しておかなければなりません。
例えば「足裏デトックスと酸素バーを組み合わせ、相乗効果を生み出すデトックス専門サロン」のように、サービス内容と特徴がみてわかるように記載すると良いでしょう。
また、サービス内容では「なぜ効果を発揮するか」も記載しておくと信頼性を増すことができます。
先ほどの例なら、「不足した酸素を供給することで新陳代謝を活発にし、足裏デトックスの効果を最大限引き出します」といった感じです。
さらに研究結果などが使えるならなおよいでしょう。
④スタッフはどんな感じか?
特に手技での施術がある場合、どんな人が施術するかはとても気になりますよね。
直接身体を触られるため、お客様はここに大きな不安を感じています。
この不安を払拭するために、スタッフの顔を載せるようにしましょう。
イラストよりも写真の方がよく、笑顔にすることがポイントです。
コメントを付け加えるとなお良いでしょう。これにより、顔の見えるサロンという安心感を生み出すことができます。
⑤メニューと料金はどうなの?
来店するかどうかは、最終的に料金とメニューで決まります。
よりたくさん集客をしたければ、単純に値段を下げれば良いわけですが、闇雲に値下げしてしまうと利益を残すことができなくなってしまいます。
粗利を考えて、トータルで利益の出せる価格投定を行わなければなりません。
始めは目玉メニューで集客する必要がありますが、その後は高単価メニューにつなげたりリピート対策を行なったりして、利益の上がる仕組みをつくることが重要です。
また、低単価から高単価メニューを揃えることで、品揃え感や施術等の専門性の打ち出し、そして単価アップにつなげることもできます。
⑥分かりやすい地図とHPへの誘導は不可欠
基本情報として営業時間と休業日、そして地図は必ず載せてなくてはなりません。
特に地図は重要で、分かりにくい地図の場合、お店が見つからず帰ってしまうことも実際あるのです。
せっかく足を運んでくれたお客様が、来店できないという事態は絶対に避けなければなりません。
また、ホームページへの誘導も忘れないようにしましょう。
URLと○○で検索という文言は、今では必須になっています。
検索時のキーワードは、自店のホームページが上位表示されているキーワードにしなくてはいけません。
店名と地域で検索してもらえば、ほぼ1番上に表示することができるでしょう。
圧倒的に情報量の多いHPに誘導できれば、集客効果は非常に高まります。
チラシとしても使えるリーフレットの作り方
リラクゼーションサロンの集客ツールとして、多くのお店で活用されているのがリーフレットです。
リーフレットには様々な形状があり、最もスタンダードなA4サイズ3ツ折や2ツ折、長封筒サイズ、ハガキサイズ、名刺サイズなど多岐にわたります。
予算や用途によって使い分けるといいでしょう。
例えば、近隣にポスティングをする予定ならハガキサイズを選んだほうがいいですし、店頭に設置する場合はA4サイズ3ツ折がベストでしょう。また、お客様の声を多数掲載するなど情報量が多い場合は、数ページあるミニパンフレットを作成してもいいと思います。
リーフレットの内容については、サロンの思いや考え方、店内内装、リラクゼーションのイメージ、オーナーや店長の写真は外せません。
これらの要素で、サロンの温かみや癒しの雰岡気を感じさせることがポイントになります。
また、リーフレットに割引クーポンを印刷してはいけません。
割引クーポンをつける場合は、クーポン券をホッチキスで留めるなどして切り離しておいた方がよいでしょう。
なぜなら、割引券がリーフレットに印刷されていたら常に割引していると見られ、それだけでサロンの価値が下がります。
また、割引を想定した価格設定と思われてしまい、価格表に対する信懸性が疑われてしまうのです。
チラシは集害するためのツールです。
自店の良さをアピールし「行ってみたい」と思ってもらわなくてはなりません。
そのためには、最も自信があるサービスをピックアップし、一点突破で徹底的に訴えることが重要です。
また、訴える部分も、サービスの質の部分なのか、価格なのか、希少性なのかを明確にした上で表現しなくてはならないのです。
これは、チラシに限らず、フリーペーパー等でも同じことが言えます。
特にメニューが多いサロンは、何でもかんでも掲載しようとしてしまいますが、これをやってしまうと訴求したいことがぼやけて集客できなくなってしまいます。
これらの注意点を踏まえて、実際にチラシをつくってみましょう。
何枚か作っていると、だんだんコツが掴めてくるものです。
より反響率の高いチラシを作るためには、改善、改良を重ねることが重要です。
ぜひ取り組んでみてくださいね。