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飲食店ビジネスの本質を知り確実に成功を掴む手順を公開

飲食店ビジネスに挑戦しようとする人全員が、成功を目指しているでしょう。

では、あなたが成功する確立を高めるために、一体何をすればいいのでしょう。

 

その答えは、まず飲食店ビジネスの本質を知ることです。

なぜなら、本質を知らないのにあれこれ戦略や戦術を考えても、的外れなものになってしまうからです。

そこでここでは、飲食店ビジネスの本質を解説すると共に、成功を手にするために立てるべき戦略について順を追って紹介していきたいと思います。

ぜひ参考にしてみてください。

 

目次

飲食業の2大メリット

飲食業には、次の2つの大きなメリットがあります。

・投資額を低く抑えられる

・粗利益率が群を抜いて高い

 

もちろん、店舗だけでも億単位のお金をかけるような高級店もあります。

しかし、一般的な小規模店の場合、初期投資額は2000~3000万円以内に収まります。

さらに、居抜き店舗を上手に活用すれば、確実に2000万円以内の投資額でオープンすることが可能です。

 

この程度の資金なら、脱サラの人でも十分に用意することができるでしょう。

実際、小規模飲食店の開業は昔から、脱サラして独立する一番の近道とされています。

要は、飲食業は個人レベルの少投資で開業できるビジネスなのです。

言い換えると、飲食業は誰でもチャレンジできるビジネスということができます。

 

次に、二つ目のメリットである粗利益率の高さについて説明していきましょう。

粗利益とは、売上高から材料原価を差し引いた残りの金額のことです。

例えば、800円で仕入れたものを1000円で売った場合、粗利益は200円、粗利益率は20%となります。

 

飲食店の粗利益率は業種によって異なりますが、一般的なお店の場合は65~70%程度が標準となります。

これに対し、一般的な小売業の粗利益率は、せいぜい20%程度しかありません。

しかも、小売業は激しいディスカウント競争にさらされています。

小売業で生き残るには、定価販売は考えることができず、実際の粗利益率は10%台が当たり前となってしまっています。

 

もちろん、飲食業の世界にもディスカウントの波は押し寄せています。

しかし、飲食業は小売業と違って、仕入れ値の決まった商品を値引きするわけではありません。

材料原価などをコントロールしたり、売り方のスタイルで対応したりできるのです。

そのため、小売業のように粗利益率を大幅に削られないで済みます。

 

お店を運営していくには、材料費以外にもいろいろな経費がかかります。

大まかにいえば、人件費、家賃、水道光熱費などがあり、材料費以外のこれらの経費は粗利益から支払われます。

そして残ったお金が利益となります。

 

家賃も人件費も結構な金額になるため、粗利益率が低いと売上があっても利益が低くなってしまいます。

しかし、高粗利益率を確保できる飲食業の場合、売上がそれほど高くなくても利益を確保できるのです。

 

このように飲食業には、二つの大きなメリットがあります。

しかし、勘違いしてはいけないのは、メリットがあることとメリットを活かすことは別問題ということです。

飲食業で成功するためには、この二つのメリットを最大限活かす必要があります。

 

特に注意が必要なことは、店舗づくりなどで余計なお金をかけ初期投資額を不必要に高くしてしまうことです。

せっかくのメリットを無視すると、しなくていい余計な苦労を背負ってしまいます。

 

外食はもっとも身近なレジャー

飲食店で成功を目指す上で、絶対に忘れてはいけないことがあります。

それは、外食はもっとも身近なレジャーということです。

飲食店は、単純に空腹を満たすためだけの場所ではありません。

 

空腹を満たすだけなら、コンビニに行けばたいていのものは揃っています。

さらにコンビニの商品は、飲食店よりもはるかに安く、価格に対する付加価値も高いのです。

それでも飲食店を利用するのは、両者には決定的に違いがあるからです。

それが、レジャー性への対応ということになります。

 

しかし、外食が普通になった最近では、ただ飲食店を利用するだけではレジャーの場にはなりません。

どんなお店でどんな楽しみ方をするのかということが、何よりも大切な要素になっています。

つまり、お客様が飲食店に求めるレジャーの中身が大きく変化しているのです。

 

しかも、加工済み食品や家庭内での食事のレベルも格段に高くなっています。

このような、それなりに美味しい食事に慣れ、さらに外食にも慣れているお客様を確実に呼び込むためには、飲食店ならではのさらに高い付加価値を提供しなければならないのです。

 

今のお客様が飲食店に求めている豊かさは、極端にいえば料理やお酒ではありません。

料理やお酒はその場を盛り上げるための道具にすぎず、本当に求めている豊かさはゆとりや寛ぎといった価値です。

飲食店を利用する第一の目的はあくまで、楽しく豊かな気分で過ごすことなのです。

 

ただし、お客様が楽しく豊かな気分になるために、高級店である必要はありません。

例えばラーメン店でも、繁盛しているラーメン店は別に高級店ではありません。

そういうことではなく、レジャーとしての楽しさがお客様を惹きつけているのです。

 

飲食店の価値を決めるものとは?

飲食店の粗利益率は群を抜いて高いです。

これはつまり、材料原価が低いということになります。

 

今はコンビニやスーパーに行けば、たいていの食品は安く揃っています。

お酒もコーヒーも同様です。にもかかわらず、レストランや居酒屋、コーヒーショップを利用するのはなぜなのでしょう。

 

結論からいうと、お客様が飲食店を利用するのは飲食店ならではの付加価値を求めているからです。

付加価値があるから、高くても納得して利用します。

逆にいえば、付加価値を感じられない飲食店は、お客様に支持してもらえません。

繁盛するには、お客様に価値あるお店と認めてもらわなければならないのです。

 

では、飲食店の付加価値とは何でしょう。それは、次の3つの要素で構成されます。

・商品

・雰囲気

・サービス

 

これら3つの付加価値のレベルが対価として正当なら、お客様は満足してくれます。

そして、対価以上と認めてもらえれば固定客になってくれるわけです。

 

ここで大事なことは、飲食店の価値はこれら3つの付加価値の総合力で決まることです。

3つのうちのどれが欠けても、お客様の満足度は低くなってしまいます。

例えば、料理はおいしいけれどもサービスが悪い、料理もサービスもいいけど店内が汚いといった感じです。

 

料理さえおいしければ、サービスや雰囲気など関係ないということはあり得ません。

今のお客様は外食に慣れているので、美味しいことは飲食店として当然と思っています。

お客様が納得できる条件とは、料理がおいしくて、なおかつサービスがよく雰囲気もいいことです。

お客様が支持するのは、付加価値のバランスのとれたお店なのです。

 

なぜ飲食業は奉仕業なのか

飲食業は奉仕業でもあります。奉仕するというのは、お客様がお店の中で少しでも気分よく過ごせるように尽くすという意味です。

そういう気持ちのいいお店だから、また来ようと思ってもらえます。

それがお客様の心理です。

つまり、いかにしてお客様に喜んでもらえるかを追求することこそ、飲食店の仕事ということです。

 

では、お客様に尽くすとはどういうことなのでしょう。

それは、商品、サービス、雰囲気、三つの要素それぞれにおいて、お客様に満足してもらえるように努力することです。

 

例えば、価格を抑えておいしい料理を出せるように工夫する、感じのいいサービスを心がける、こまめに掃除して店内をいつも清潔に保つなどが考えられるでしょう。

これらは、お客様に尽くそうという気持ちがあってはじめてできることです。

 

つまり、お客様に尽くすとは、常にお客様の満足のために考え、それを細かい配慮として実践することです。

儲かればいいという自分本位の考え方では、絶対にできないことです。

 

飲食業を奉仕業と思うと、お客様に心から感謝する気持ちが生まれます。

だから、お客様の要望にはできるだけ応えようと思い、お客様が少しでも満足できるようにいろいろと気を使うようになります。

そして、お客様が喜んでくれることが嬉しくてたまらなくなるのです。

つまり、お客様の喜びが働き甲斐になります。

 

お客様からすると、こういうお店は満足度が高いため何度も利用してくれます。

その結果、固定客が自然と増えていき、安定した繁盛店になれるのです。

お客様が喜んでくれればお店は繁盛します。

このことが本当に理解できれば、お店を繁盛させることは難しいことではありません。

 

飲食店の業種業態とは?

飲食店の開業しようとする場合、普通は何屋をやろうか考えます。

これはいわゆる業種というものです。

 

しかし業種だけ決めても、お店をつくることができません。

業種を決めただけでは、店舗をつくる方針すら立てられないのです。

お店の方針を決定する根拠となるのは、業種ではなく業態なのです。

 

業種とは、簡単にいえば主力商品のジャンルによる分類のことです。

一方、業態は売り方による分類になります。

言い替えれば、業種は「何を売っているか」であり、業態は「どのように売っているか」ということです。

 

ではなぜ、売り方がそれほど重要になるのでしょう。

その理由は、売り方こそお客様のお店選びの最大のポイントとなるからです。

 

業態とは、どんな商品を、いくらで、だれに売るのか、その方針と仕組みのことで、次のような要素に分解されます。

・何を=業種および主力商品

・何のために=お客様の利用動機

・誰に=主要客層

・いつ=営業時間およびお客様の主な利用時間

・どこ=出店立地

・どのように=売り方のスタイル、お客様にとっては楽しみ方のスタイル

・いくらで=価格政策

 

業種はこれら7つの要素のうち、たった一つの要素にすぎません。

残る6つの要素が決まらなければ、具体的にどんなお店をオープンすればいいのか判断できないのです。

 

例えば業種をすし店と決めても、どんなすし店にすればいいのか決めることができません。

すし店には、客単価1万円以上の高級店から1個100円の回転ずしまでいろいろな業態があります。

 

「すし店」だけでは、どんなすし店なのかわかりませんが、業態で考えると具体的なお店の形態が浮かび上がります。

だから、業態が重要なのです。

 

業種業態の決定要素は7つありますが、最も重要な要素は価格になります。

なぜなら価格は、お客様が外食でお店を選ぶ時の最大の決定ポイントとなるからです。

 

お客様の消費行動には、必ず予算があります。

そして、その予算は、お客様の飲食店の利用動機によって決まります。

例えば居酒屋を利用する場合も、会社の帰りに立ち寄るお店と恋人とのデートで使うお店では、当然予算が違います。

 

なぜなら、お店に求める商品、サービス、雰囲気のレベルが違うからです

。つまり、お客様は利用動機によって、利用する飲食店の業態を選択しているわけです。

 

このことより、業態が暖昧なお店は敬遠されやすくなります

そのため、確実にお客様を取り込むためには、自店がターゲットとする主要客層や利用動機を絞り込み、お店の業態をわかりやすくアピールする必要があります。

 

営業時間や出店立地、売り方のスタイルは、価格と利用動機、主要客層が決まれば、ほぼ自動的に決まります。

極端に言うと、業種は6つの要素が決まってから選択しても遅くはありません。

 

ここで大事なポイントがもうひとつあります。

それは、競合店が同業種のお店だけではないということです。

商圏内の同業態の飲食店は、業種にかかわらずすべて競合店となります。

なぜなら、お客様がもっとも優先するのは予算だからです。

 

地元密着で営業すべき理由

飲食業は、基本的に地元密着のビジネスです。

地元のお客様に愛され、熱烈に支持してもらうことが、息の長い繁盛店の第一歩となります。

 

一方、全国的な知名度を誇るお店も少なくありません。

最近では、テレビや雑誌で飲食店が紹介されることが多いため、そういうお店がどんどん増えています。

飲食店の経営者をめざす人なら、自分のお店も有名店にしたいと思うでしょう。

このような可能性を誰もが持てるというところに、飲食業の素晴らしさがあります。

 

マスコミで紹介されている超有名店も、最初から全国区の人気店だったわけではありません。

スタートは、ごく普通の飲食店だったケースがほとんどです。

 

普通のお店が全国区の人気店になれた理由は、まず地元で評判を取ったからです。

地元の人の評判が口コミでどんどんと広がり、それがマスコミの目にも止まって紹介されるのです。

つまり、有名店とは地元密着のビジネスの発展した結果であり、基本はどこも変わらないのです。

 

地元密着型のビジネスが有利な理由は、お客様の生活圏や仕事圏内にお店があるからです。

地元にあるお店は、お客様にとって利便性が高く安心感があります

だから来店頻度は高くなり、固定客化しやすいのです。

 

さらに、お店の評判が口コミで伝わりやすいというメリットもあります。

評判は、料理のことだけではありません。

スタッフの対応の感じがいいとか、ゆったりした気分になれるといったことまで広まるのです。

 

ここで注意しなければいけないのは、口コミの評判はマイナスになることもあるということです。

そして、いい評判に比べ悪い評判はあっと言う間に広まります。

 

口コミはいったんプラスの方向に向かうと、固定客づくりの強い味方になってくれます。

プラスの影響力を取り込むためにも、地元密着の営業方針を徹底しなくてはなりません。

 

遠くからもお客様を呼び込みたい気持ちはわかります。

しかし、遠くのお客様を呼び込むということは、遠くのお店とも競合しなければならないことなのです。

競争相手が増えれば、経営を安定させることは難しくなります。

まずは、地元で確固とした地位を築くことに集中しましょう。

 

お客様の利用動機を掴む営業方針の考え方

飲食業で成功するためには、お客様の利用動機を正しく理解する必要があります。

なぜなら、同じ人でも利用動機が違えば選ぶお店が変わるからです。

 

しかも、お客様は自分の目的にフィットしたお店を的確に選びます。

だから、どんな利用動機に合ったお店なのかをわかりやすく表現しておかなければ、選んでもらえる確率が低くなってしまいます。

 

お客様は、飲食をするために来店します。

しかし、飲食できればどのお店でもいいというわけではないのです。

お客様は、その時の利用動機によって飲食店を使い分けています。

例えば、会社の同僚と飲むなら経済性が優先されますが、恋人と飲む時はそれなりに恥ずかしくないお店を選ぶといった感じです。

 

ここで大事なことは、利用動機によって予算が変わることです。

予算が違うから選ぶお店が変わります。

もちろん業種も大切な要素になりますが、それは予算内で選択されるのです。

 

お客様にとって重要なことは、利用動機に適した予算で満足できるかどうかにあります。

つまりお客様の利用動機は、お客様が飲食店に何を期待しているのかを知るための重要なポイントになるのです。

 

ターゲットとする人の利用動機を絞り込まなければ、効果的な商品づくりもできません。

サービスの仕方も変えなければいけないし、店内の雰囲気づくりも大きく変わります。

どんな利用動機に対応するのかという発想がなければ、お店の営業方針を決めることはできないのです。

 

お客様の利用動機は、「日常的利用動機」と「非日常的利用動機」の二つに大別することができます。

サラリーマンの普段のランチは「日常的利用動機」、恋人とのディナーは「非日常的利用動機」の代表といえるでしょう。

日常的利用動機は、空腹を満たすことが目的です。

対して非日常的利用動機では、飲食を通して普段とは違った豊かさを味わうことが目的となります。

 

ここで考えなければいけないのが、お客様の予算の違いです。

一般に、非日常的利用動機で飲食店を利用する場合のほうが予算は高くなります。

ただし、非日常的利用動機を取り込む場合、単純に高級店にすればいいというものでもありません。

大切なことは、お客様が非日常を楽しく豊かに過ごせるお店かということにあります。

要は、レジャーとしての売り方ができるかどうかということです。

 

お店の未来を左右する差別化の重要性

最近では飲食店の数も増え、競争も激化しています。

飲食店を開業するなら、その競争からなんとしてでも勝ち残らなければならないのです。

 

では、どうすれば競合店との競争に勝ち残れるのでしょう。

その決め手が「差別化」です。飲食業で成功したいなら、この一点を徹底的に追求しなくてはなりません。

 

どれだけ競争が激しいエリアでも、必ず何店かは繁盛店があります。

そして、繁盛店にはお客様を魅きつける何かがあり、それを効果的にアピールしています。

お客様を魅きつける魅力は、競合他店との違いがはっきりしていることです。

差別化とは、他店との違いを明確にすることなのです。

 

差別化の方法は、商品、サービス、雰囲気のそれぞれで考える必要があります。

商品の差別化としてまず浮かぶのは「味」でしょう。

確かに、おいしい料理は飲食店の一番の看板となります。

しかし、ただ美味しいだけでは、今の時代なかなか通用しません。

なぜなら、そこそこ美味しいお店はたくさんあるからです。

 

では、何が商品の差別化の決め手になるのでしょう。

商品において最大の武器になるのは、明確なオリジナルメニューです。

他店では絶対に食べることのできない料理があれば、お客様は多少遠くてもわざわざ来店してくれます。

 

ただし、オリジナルメニューといっても珍しい料理を準備する必要はありません。

例えば、変わった食材を使ったり、ヘルシーな食材を選んで使ったりすることも立派なオリジナリティーです。

調理技術というよりも、発想がものをいいます。

 

サービスでは、きめの細かい接客を徹底するだけでも大きな差別化の武器になります。

例えば、家庭的な温かみのある雰囲気を醸し出すサービスや、感謝の気持ちを上手に表現することが考えられます。

その上で独自のサービススタイルを持てればなおいいでしょう。

 

雰囲気づくりでは、まず徹底的に清潔にすることが基本となります。

これだけでも、差別化の強力な武器になります。

その他には、内装やBGM、花などで季節感を的確に表現してもいいでしょう。

 

このように、差別化といってもさほど難しいことではありません。

自店にしかできないことを、常に追求することが大切なのです。

 

お客様の支持を集めるコンセプトとは?

お客様からの支持は、狙って集める必要があります。

コンセプトとは、確実にお客様に支持されるためのお店づくりのプランを確立することです。

 

ところが、コンセプトを単なるイメージとして捉えている場合が多くあります。

例えば、「地中海沿岸のビーチリゾートのような明るい雰囲気のお店」のような感じです。

これがどうしてコンセプトになっていないかというと、実際の営業方針は立てられないからです。

 

売り方の方針が決まらなければ厨房をつくるわけにもいきません。

厨房は、メニューの種類や調理工程の内容によって、必要な広さも機能が変わってくるのです。

お店のイメージを決めると同時に、どういう売り方をするのかということを、きちんと詰めていく必要があります。

それがコンセプトづくりです。

 

客層はどの辺に照準を当てるのか、どういう利用動機を取り込むのか、お客様の利用頻度はどのくらいと想定するのか、メニューの品目数はどれくらいにするのか、昼と夜の客単価をいくらに設定するかなど、全てを細かく煮詰めることで、お店の営業方針を決めることができるのです。

 

飲食店の営業方針とは、お客様に対する具体的な対応態勢です。

メニュー数を増やすなら、お客様のオーダーがばらついても対応できる厨房とサービスのシステムを確立しておく必要があります。

どのようなお客様に、どのような利用の仕方をしてもらいたい。

それを明確にアピールできるからこそ、狙いどおりのお客様が来てくれます。そのための基本プランがコンセプトなのです。

 

注意!!原価意識を持たなければ利益は出ない

飲食店経営の最終的な目的は、適正な利益の確保です。

そして飲食店を経営する上では、様々な経費がかかります。

 

そこで確実に利益を出していくには、売上高を大きくする努力と、原価を適正な範囲内に収めるための管理が不可欠となります。

しっかりとした原価意識を持ち、確実に利益を確保する必要があるのです。

 

飲食店の経費は、固定費と変動費の二つの費用に分ることができます。

このうち固定費とは、売上高にかかわらず一定額かかる費用です。

売上がゼロだとしても、お店を営業している限り支払わなければならない費用になります。

 

代表的な固定費には、家賃と人件費があります。

家賃は、営業日数や営業時間とは無関係に支払う費用で、もっとも大きな負担になる経費ともいえます。

 

人件費は正確にいえば、固定費と変動費の両方の性格を併せ持つ費用です。

基本的に社員の人権費は固定費、パートやアルバイトの人件費は変動費に含まれます。

このように厳密に分類するのは、人件費は利益を圧迫する最大の要素となるからです。

 

もう一つ、固定費で大きなものが減価償却費です。

減価償却費とは、店舗の内装設備などに要した費用を、法定の耐用年数に基づいて、損金として毎年計上する費用です。

 

内装や設備機器は、何年にもわたっての使用が可能な固定資産となり継続的に利益を生み出します。

そのため、購入費用を購入した年に一度に損金処理するのは不合理なのです。

そこで、耐用年数に分けて処理するというわけです。

 

つまり、経費として計上された減価償却費は手元に残ります。

そのため、通常は借入金の元本返済に当てられます。

 

次に変動費を見ていきましょう。

変動費は売上の増減に応じて変化する費用です。

代表的な変動費は材料費で、その他には、残業手当や能率給、パート・アルバイト費、諸経費があります。

 

変動費の中で重要となるのは材料費の扱いです。

飲食店としてのクオリティーを高めるには、ある程度の材料費を使わなければなりません。

しかし、材料費に伴い売り値を高くするとお客様の支持は得られません。

 

諸経費は水道光熱費、消耗品費、事務用品費、修繕費、販売促進費などに分けられます。

これらのうち最も費用がかさむのは水道光熱費で、これをコントロールができるかどうかで利益も大きく変わってきます。

 

他にもお店のオープン時には、店舗物件の保証金や内装工事費、設備機器類の購入費などがかかります。

そしてオープン後は、開業費用として調達した借入金も返済していく必要もあります。

利益は、これら様々な支出を超える売上高があってはじめて確保できます。

 

未来を見据えた健康志向の取り込み方

世の中の健康志向に伴い、健康に悪いものは売れない時代になっています。

特に飲食業では、「健康」は最も重要なキーワードです。

なぜなら、飲食店の商品はお客様の口に直接入る食べ物や飲み物なのです。

 

そのため、当然厳しい食品衛生管理が求められます。

しかし、いまの時代は清潔というだけでは不十分です。

なぜなら、お客様の関心事は「安心」と「安全」にも向けられているのです。

 

ただし、健康にいい食事といっても、極端に考える必要はありません。例えば、病院食のような健康にいい食事をそのまま出してお客様は喜びません。

大事なことは、お客様は健康になりたくて飲食店を利用するのではないということです。

健康が気になるから、できるだけ健康にいい食事をしたいと思っているだけなのです。

 

また、ひと口に健康志向といっても、客層によって意識はかなり違います。

例えば、ダイエットが気になる若い女性客は低カロリーに注目しますが、中高年になると塩分や脂肪のとりすぎを気にするようになります。

 

さらに、お客様の健康への関心は利用動機によっても微妙に変わります。

例えば、毎日のランチなら健康を意識する度合いは高くなりますが、たまのごちそうなら健康のことはあまり気にしないでしょう。

 

また、これからの時代、最も注目されるのが高齢化社会への対応です。

最近の高齢者は元気で外食志向も強く、年金などでそれなりの所得も得ています。

潜在的には、最も有望な市場といえるのです。

ただ、飲食店が高齢者に対応できていないのが現状なのです。

 

これからお年寄りの割合は確実に増えていきます。

彼らの支持を得ることが、飲食業界共通の最大のテーマといえるのです。

 

ここで誤解しないでほしいのは、高齢者専用のお店をつくると言うことではないということです。

高齢者というより、中高年の大人が落ち着いて、豊かな気分で、安心して楽しめる。そういうお店が求められているということなのです。

厳しい競争を勝ち抜くためのヒントとして、高齢者への対応も考えてみてください。

 

お客様に好かれるお店の雰囲気づくり

お店の雰囲気づくりには、絶対に守らなければならない基本があります。

それは、以下の2つです。

・清潔感を磨き上げる

・居心地のよさを追求する

 

飲食店で、清潔感が大事ということは当たり前です。

なにしろ、飲食店はお客様が飲食する場所なのです。

 

飲食店に求められる清潔感とは、簡単な掃除をしていればいいというものではありません。

もっとハイレベルの清潔感が必要で、これを業界ではクレンリネスと呼んでいます。

ピカピカに磨き上げた清潔感がなければ、飲食店にふさわしい雰囲気をつくることはできないのです。

 

では、どうすればクレンリネスを徹底できるのでしょう。

まず、経営者自身が清潔感に敏感にならなくてはなりません。

経営者が清潔感に敏感でないのに、スタッフがきちんと働くはずがないのです。

特に小さなお店の場合は、経営者が先頭に立ってクレンリネスを実践することが大切です。

 

飲食店にとって清潔感が重要となるのは、衛生の問題からだけではありません。

清潔感は、雰囲気を大きく左右してしまいます。

 

どんなにカッコのいいデザインの内装でも、清潔感が感じられなければお客様の支持は得られません。

飲食店は、飲食を通してお客様が豊かな気分を楽しむ場所です。

薄汚れている店舗では、豊かな気分は味わえないのです。

 

次に、居心地のよさについて考えてみましょう。

お客様に心地よいと感じてもらうために大事なのが、客席のレイアウトです

客数は1人でも多いに越したことはありません。

 

そのため、どうしても席数を増やしたくなりますが、これがお客様の居心地を悪くする原因になっています。

ぎりぎりまで客席を増やして、詰め込まれるようなお店ではお客様は心からくつろぐことができません

 

飲食店の席が狭苦しいと、お客様は嫌がります。

例えばカウンター席で、7席が限度のところ無理して8席取ったとします。

 

するとイスとイスの間隔が狭く、出入りが大変になります。

また、食べたり飲んだりするにも、隣のお客様のヒジなどを気にしなくてはならなくなります。

通常、お客様はこのようなお店を敬遠します。少し欲張るだけで、お客様から選ばれなくなってしまうのです。

 

成功するお店は、お客様に選ばれるお店です。選ばれるためにも、居心地のいい席にするにはどこまでが限界か真剣に考えなければなりません。

また、居心地のよさは内装で決まるわけではありません。

高級店の場合なら、その値段に見合った豪華な内装が必要ですが、一般の飲食店にはそんなもの必要ないのです。

 

基本的にお客様の居心地のよさは、気分よく過ごせるように配慮してくれているかどうかで決まります。

例えば、季節の花を効果的に飾るだけで、なごみや癒しを感じられる空間に変えることができます。

要するに、お客様の気分を盛り上げようという工夫が大切なのです。

 

「お客様に喜んでもらうこと」は、商品、サービス、雰囲気づくりのすべてに求められます。

ゆとりが持てる席数にするのも、こまめに掃除をしてクレンリネスを実践するのも、すべてお客様に気分よく過ごしてもらうためです。

 

つまり、お客様に好かれる雰囲気とは、お客様を愛するお店側の気持ちが生み出すものです。

ビジネスは計算だけではうまくいかないのです。

 

繁盛を決める店舗の力とは?

飲食店の成功に、店舗力は大きな影響を及ぼします。

そして、店舗力は3つの要素から構成されます。

 

まず1つ目の要素は、出店する立地の選択と立地特性に合わせた適応力です。

立地特性と出店するお店の業種業態が合わなければ、どんなにいいお店を出しても成功することは難しくなります。

 

飲食店に対するニーズは、立地によって大きく変わります。

そのため、業種業態によって成功しやすい立地もあれば、成功しにくい立地もあるのです。

立地特性を冷静に分析し、その特性に合ったメニュー、価格、サービス方式を採用する必要があります。

 

2つ目の要素は、お店づくりです。

これは、内装デザインをきれいにする事ではありません。

業種業態に合った内装にすると同時に、お店の適正規模、客席数、そしてレイアウトのあり方を見極めることです。

そして、お客様に喜ばれる要素が付加されているかどうかが問われます。

 

3つ目の要素は、経営係数のコントロールを適正に行うことです。ただし計数管理は、帳簿をきちんとつけていればいいというものではありません。大事なことは、帳簿の元になる数字をコントロールすることです。例えば、より品質のよい食材をより安い価格で仕入れられるルートを持っている、といったことが挙げられます。

これら3つの要素が集まって、店舗力は構成されるのです。

 

成功するために地道な努力は必須条件

飲食店の仕事は、同じ仕事の繰り返しです。

毎日同じメニューをつくり、いつでも同じサービスを心がけなくてはいけません。

 

しかも、一日の労働時間は非常に長くなります。

働く時間はお店の営業時間だけではなく、仕込みなどの準備、後片付け、清掃、翌日の準備などの仕事が山ほどあります。

その上まとまった休みも取れません。

 

しかし本当に成功したいなら、そんなことは言っていられません。

そもそも飲食業は、10年以上経営してやっと確固とした経営基盤が固まるものです。

そうなってはじめて、大きな成功の可能性が生まれます。

 

最近では、何かの拍子で話題になるケースも多くあります。

マスコミなどの影響力はすごいため、ブームに乗ることができればあっという間に繁盛店の仲間入りをすることもあります。

 

しかし、何かのきっかけで一時的に集客できたとしても、実力がなければ長続きしません

問題はお店を支持している人が何人いるかということなのです。

ブームに乗れただけではダメで、本当の勝負はそれからなのです。

結局、飲食店で成功するには、地道な努力を続けることが不可欠なのです。

 

しかし、どうしても飽きてしまうのが人間というものです。

最初の意志を強固に持ち続けるというのは、なかなか難しいのです。

オープンしてしばらくの間は気合が入っていても、仕事に慣れてくると新鮮味がなくなってしまいます。

 

さらに思うような売上が上がらないと、焦りも出てくるでしょう。

それなのに、休みもろくに取れないとなると、なんのために働いているかわからなくなります。

 

しかし、多くの成功者も同じような悩みと苦しみを経験してきました

どんなビジネスでも、最初からずっと好調ということはあり得ません。

山あり谷ありで、マンネリに陥ってしまう落とし穴もあるのです。

 

それでも継続してお店を経営していくためには、目的を間違えないことが重要です。

飲食店経営者が持つべき本当の目的は、繁盛店をつくることではありません。

その繁盛をいつまでも持続させることなのです。

商売は、長く続けることに意味があります。

そして、長く続けることでビジネスとしての本当のうまみが出てきます。

 

飲食店をビッグビジネスに成長させるための条件

飲食店ビジネスのいちばんの魅力は、やり方次第でビッグビジネスに成長できる可能性があることでしょう。

規模の小さな飲食店は、個人の資金力でオープンできます。

また、家族労働で人件費を削減することもできるため、利益も出しやすいです。

これは飲食店ビジネスの大きなメリットといえるでしょう。

 

しかしこれからの時代、このような発想で通用するとは限りません。

今はなんとかなったとしても、10年先、20年先の保証はどこにもないのです。

経営者は自分が働けばなんかなると思いがちですが、年を取れば体力も落ちていきます。

しかも、飲食店の仕事はかなりの重労働です。

 

そこで、これからの時代の飲食店経営では、リスクを真剣に考えたうえで本当の安定や成長を目指す必要があります。

ビジネスを成功させるには、どれだけ大きな「夢」を持つことが非常に大切な条件となります。

大きな夢を持てば、可能性はどんどん広がっていくのです。

 

例えば、100店を超える有名チェーンでも、スタートはたった一店の個人店でした。

一店で終わるか、それともビッグなビジネスに成長させられるか、その差は経営者の「夢」の違いともいえます。

 

また、個人店を一店舗経営するだけでは将来的にも厳しいものがあります。

引退後も安定した暮らしをするために、最低でも三店舗は持っておくと安心です。

なぜ三店舗かというと、仮に一店がダメになっても二店でリスクを分散できるからです。

 

さらに大きな夢を持つなら、フランチャイズチェーンや店舗規模の拡大を目指すこともできます。

また、別業態にチャレンジするのもいいでしょう。

飲食店ビジネスには、とてつもない可能性があります

ぜひ大きな夢を持ちチャレンジしてみてください。

 

飲食店は成功しやすい!

このように、飲食店ビジネスの本質を理解することができれば、成功に向かった戦略を実践することができるようになります。

そして、飲食店ビジネスの基本はお客様にあります。

多くのお客様に満足していただけるお店ができれば、繁盛しないわけがありません。

お客様の満足を第一に考え、成功を手にしてくださいね。

 

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この記事を書いた人

これまで、20代前半より8店舗のお店をオープンしてきました。銀行などから融資を受けることなく無借金で10年以上経営するも、自分の将来が見えなくなってしまったため、全て従業員や知人に売却。

その後、店舗の開業、店舗展開に携わり、これまでオープンしてきた店舗は100を超えます。

また、内装の専門家でもあるため、全国各地より『内装支援』の依頼が絶えず来ており、これまでサポートした個人事業主・企業様は500件以上となっています。

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