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全ての飲食店開業者を成功に導く開店の基本を伝授

一言に飲食店開業といっても、人により様々なパターンがあると思います。

脱サラの人もいれば、雇われシェフから独立する人もいるでしょう。

それぞれの背景により課題は異なりますが、まずは開業の基本がしっかりと整わなければ成功することはできません。

そして、開業の基本はどのような人にも同様に当てはまるのです。

 

そこで、どのようなタイプの人でも飲食店開業を成功できるよう、店舗オープンまでの基本をここでは解説したいと思います。

基本を知らずに開業しようとしても、遠回りをするだけです。

まずは基本を知り、スムーズな開業を目指してください。

 

目次

脱サラして飲食店で成功するために必要なこと

飲食業は、脱サラする人にとっての一番の独立の舞台になっています。

成功を手にしている人もたくさんいますが、残念なことに失敗例も少なくありません。

ただ、心配しなくても大丈夫です。

なぜなら、失敗する主な原因がわかっているからです。

 

失敗した人たちが口をそろえて言うことがあります。

それは、「簡単に儲かると思った」ということです。

普通に考えると、異業種へ転職することは不安も大きいものです。

しかし、飲食業においては不安が少ないのです。

 

サラリーマンにとって、飲食店は非常に身近な場所です。

毎日のランチ、商談や接待、仕事帰りの一杯など、おなじみの場所になっています。

日常的に利用するので、お店の人の仕事ぶりを見ているつもりになってしまいます。

そこで、自分でも簡単にできそうとタカをくくってしまうのです。

 

また、粗利益率が高いから手っ取り早く儲かる、という短絡的な発想も命取りになります。

確かに、飲食店の粗利益率は高いですが、お客様が入ってくれなければ意味がありません。

外食ニーズは絶対になくなりませんが、競争がないわけではありません。

むしろ競争が激しい今の飲食業界で、開店しただけで儲かるということはありえないのです

 

もうひとつ、脱サラする人の多くには、管理社会から逃げ出したいという気持ちがあります。

組織の歯車として働くのが嫌なのはわかります。

しかし、飲食店を開業するということは、経営者になるということなのです。

 

いくら粗利益率が高くても、綴密な原価管理をしなくては利益を確保することはできません。

また、リーダーシップを発揮してスタッフを管理する必要もあります。

雇われの身ではないので、すべての責任を負わなければならないのです。

 

これらが、脱サラで失敗する主な原因となります。

一言で言えば、飲食業というものを甘く見ていたことが主な原因です。

甘い考えが通用するビジネスなどありえないので、別に飲食業が難しいというわけではありません。

 

飲食店の仕事は、見た目よりも大変な肉体労働です。

長時間立ちっぱなしで休日も少なくなります。

また、調理の技術訓練も不可欠です。

 

さらに、粗利益率が高くても、お店を運営するには材料原価以外の経費がかかります。

売上高も、お客様一人一人の小さな売上高の積み重ねです。

売上高を大きくするには、一人でも多くのお客様の支持を集めるために努力する必要があります。

 

飲食業は、地道な努力が不可欠なビジネスです。

脱サラして成功するためには、飲食業のビジネスを正しく理解する必要があります。

それと同時に、積極的に勉強して、飲食業についての知識を豊富にすることも大切なのです。

 

転業で失敗する4つ原因とは?

最近は、他業界から飲食業に転業するケースも増えています。

経済状況が大きく変わり、従来の商売がダメになった場合や、飲食店経営に活路を見出したいといったケ-スです。

 

転業する人たちは、すでに商売の経験があります。

その点から考えると、商売経験のない脱サラ組みの人より有利な気がします。

しかし現実は、転業の人の方がうまくいかないことが多いのです。

 

その主な原因は、以下の4つになります。

・以前の商売で失敗した原因を反省していない

・仕方なく転業したためバイタリティーがない

・高い粗利益率に目が行ってしまい、飲食業の本質を理解していない

・以前の商売の経験や考え方に捉われてしまい、飲食業の考え方へ切り替えができない

 

最初に考えないといけないことは、以前の商売がうまくいかなかった原因を、冷静かつ客観的に分析するということです。

失敗を思い出させることになりますが、これがいちばん大切なことなのです。

 

商売には運も必要ですが、お店を存続できなかったことは事実です。

これを謙虚に認めることができなければ、転業はやめておいたほうがいいでしょう。

自分の経営者としての資質、実力を正しく把握することが、二度と失敗しないための条件となります。

 

バイタリティーがない原因は、仕方なく転業しているからでしょう。

以前の失敗は割り切って、新天地に人生をかける意気込みがなければ成功することは難しいでしょう。

 

バイタリティーがあれば、深く勉強しようとする情熱や、お店づくりのこだわりも生まれてきます。

他にできそうなことは飲食店くらいという発想では、成功することはできないのです。

 

商売の経験者であれば、実際の利益率についても正しく理解しなくてはなりません。

何事にも、メリットとデメリットは必ずあるのです。

特に物販店をやっていた人は、飲食店の接客サービスへの理解が足りないケースが多いです。

また、年齢が高い方は、体力についても冷静に判断しなくてはなりません。

気持ちだけで続けることはできないのです。

 

最後に、これまでの経営者としての経験を、一度全て捨てなくてはなりません。

確かに、経営者としての経験は貴重なもので、参考になることもたくさんあるでしょう。

しかし、その経験や考え方に引きずられていては成功できないのです。

 

どんな経験や実績があろうと、他業種である飲食業でそのまま通用することはありません

これまでの自分を潔く反省することが大切なのです。

 

飲食業界は、中途半端な取り組みで成功できるほど甘い世界ではありません。

飲食業界の経験者の言葉に素直に耳を傾け、どん欲に勉強することが必要なのです。

 

なぜプロが開業で失敗するのか

調理師やサービスマンが、独立開業するケースもあります。

どちらも飲食業を知っているプロなので、他の人より簡単に成功してもおかしくありません。

ところが、意外と失敗しやすいのがこのケースです。

その原因は、飲食業について「知っているつもりになっている」ことにあります。

 

調理師が失敗する原因

まず調理師が開業する場合、料理に自信を持ちすぎていることが落とし穴になります。

美味しければお客様は来ると思っているのです。

 

しかし、現在ではそこそこ美味しいのは当たり前となっています。

よほどのスーパーシェフでない限り、料理だけでお客様を呼べる時代ではないのです。

実際、料理人の間ではすばらしい技術の持ち主と尊敬されていても、お店がうまくいっていないケースは結構あります。

 

お客様が飲食店に求めているのは、美味しい料理だけではありません

飲食を通して、楽しく豊かな時間を過ごすことも求めています。

ところが、料理にしか目がいっていないと、お客様が求めるお店をつくることができません。

サービスや雰囲気を、軽視してしまいがちになるのです。

 

そして最悪なのは、お客様が入らないのは味がわからないからだと思っているケースです。

自分の技術や経歴に、自信があるのは素晴らしいことです。

しかし、お金を払って飲食店を利用するのはお客様であることを忘れてはなりません。

 

本当にすぐれた調理師とは、お客様が喜ぶ料理をつくれる人のことです。

調理師としての自己満足を捨て、お客様に目を向けなければなりません。

調理師の人は、これが一番重要なことになります。

 

サービスマンが失敗する原因

サービスマンが失敗する原因は、調理師と反対になります。

つまり、料理を軽視しがちになってしまうのです。

料理はそこそこで美味しければよく、サービスや雰囲気だけでお客様を呼べると思ってしまうのです。

 

なぜならサービスマンは、調理師以上に飲食業を知っているつもりになりやすい傾向にあるからです。

サービスマンの仕事は接客なので、いつもお客様と直に接し、様々なサービスを提供しています。

接客は「表」の仕事で、調理は裏方と言われるとおり、飲食店の表舞台は客席ホールなのです。

 

そのため、サービスマンを長くやっていると、なんとなく飲食店の経営がわかったような気になってしまいます。

接客という、サービス業らしい仕事をしているため、「飲食店なんて簡単」と思い込んでしまいやすいのです。

 

たしかに、今は料理だけでお客様を呼ぶことは難しい時代です。

お客様は外食に慣れているため、サービスの重要性も増しています。

だからといって、料理を軽視していいということにはなりません。

 

料理もサービスも、どちらも飲食店の価値を決める要素の一つなのです

そして、この要素が一つでも欠けていると、繁盛店になることはできないのです。

 

飲食店で成功するために最も重視すべきこと

はじめて飲食業にチャレンジする人は、たいてい業種を選ぶところからスタートします。

そして、肝心なところを煮詰めないで、お店づくりを開始してしまうのです。

 

肝心なところというのは、どういう業態にするかということです

業態とは、売り方の方針のことを指します。

 

店舗は飲食店の顔となるので、どのようなお店にするかイメージができていると思います。

しかしその内容は、内外装のデザインやメニュー、スタッフのユニフォームといったことばかりで、業態という発想が欠けていることがほとんどなのです。

 

お客様がお店を選ぶ際、最大のポイントとなるのは、実は業種ではなく予算です。

そして、お客様の予算を決めるのは、そのときの利用動機です。

お客様は予算の範囲内で、利用できるお店の中から業種を選ぶのです。

この、予算の範囲を決めるものが業態なのです。

 

例えば、焼肉が食べられるのなら、いくらかかってもいいというお客様はほとんどいません。

必ず、まず予算を考えます。

そして、その予算は当然、利用動機で決まるのです。

 

そして、そのときの予算に合う焼肉店が見つからなければ、予算内で食べられる別業種のお店に行くことになります。

これがお客様の消費行動なのです。

 

予算が変わるということは、使う金額が変わるだけではありません。

お店に求める商品、サービス、雰囲気すべての質が金額に見合わなければならないのです。

デートで行くお店は、料理の質だけでなく、サービスや雰囲気のクオリティーも求められます。

だからこそ、料金が高くてもお客様は納得してもらえるのです。

 

自店とライバル関係の飲食店のことを競合店といいます。

飲食業を行う場合、競合店を同じ業種のお店と思い込んでしまいますが、これは間違いです。

 

実は、競合店は同業種のお店とは限らないのです。

先ほどの例のように、同じ商圏内で同業態の飲食店はすべて競合店となります

お客様にとって本当に重要なのは、業種ではなく業態なのです。

これは、飲食店経営で最も重要なポイントとなります。

 

もう少し業態について詳しく説明しましょう。

売り方の方針というのは具体的に言うと、どんな客層のどんな利用動機に対して、何をいくらで、どのようなスタイルで売るのか、ということです。

 

メニューは、価格と内容が連動してはじめて価値を持ちます

そして、その価格の根拠が業態なのです。

つまり、業態が決まっていなければ、業種以外の要素は決めることができないのです。

 

お客様は無意識に業態を見てお店を選んでいます。

つまり、お店づくりにおいては、業種よりも業態を重視しなければならないというわけです。

 

小さなお店の成功の秘訣は地元密着

自店の影響力が及ぶ範囲を商圏といいます。

簡単に言うと、お客様を見込めるエリアの範囲のことです。

 

飲食店をオープンする人は、商圏が広いほどいいと考える人もいます。

商圏が広ければ人も増えるため、当然お客様の来店確率も高くなると考えるのです。

しかし、この考え方は間違いです。一般的な小さなお店は、商圏を小さく設定し地元に密着したほうが有利なのです。

 

なぜなら、遠くから実際に来店してくれる保証はひとつもありません。

最近では、遠くからでもお客様が押し寄せるお店があるにはあります。

しかしそのようなお店も、最初から超有名店だったわけではないのです。

 

開業当初は地元客相手に営業し、何かのきっかけで有名になったことで、遠方からわざわざお客様が来店するようになったというのが一般的なパターンなのです。

夢は大きく持ちたいですが、お店づくりの計画は堅実でなければなりません。

あくまで地元密着が基本と、肝に銘じておいてください。

 

地元密着の営業方針が有利となる理由は、お店がお客様の生活圏内にあるからです

近くにあれば、利便性が高い上に、お店の存在も知られやすくなります。

何もしなくても来店してもらえる可能性は高くなりますし、「地元にあるいいお店」と思ってもらえれば固定客になる可能性も高まります。

これは非常に大きなメリットといえるのです。

 

一方、距離が遠いということは、来店頻度が少なくなるということです。

固定客化は難しいため、新規客中心の営業になってしまいます。

固定客がいないと、経営は安定しません。

 

お店側が商圏をどう設定しようと、お客様にわかることはないでしょう。

しかし、宣伝の仕方や接客の態度などから、地元客をどう考えているか見当はつくものなのです。

 

お客様にとって地元のお店というのは、なんとなく親近感を持つことができます。

だから、気に入ってもらえれば、クチコミで評判が伝わりやすいのです。

地域密着で営業すると、お客様がお客様を呼んでくれる理想的な展開にも期待できます。

 

ただし、クチコミはいいものだけでなく、悪い評判もあっという間に伝わります。

つまり、お客様満足に対する考えは徹底しないといけないのです。

 

地元密着の成功原則は、地元で敵をつくらないということです。

例えば商店街のお店の場合、商店街にある他の飲食店は競合店となりますが、そこにライバル意識をむき出しにして競ってはいけません。

共存共栄の発想に切り替えることで、商店街で働く人たちを固定客化することもできるのです。

 

余裕ある開店資金の見積もり方

小さな飲食店を開業する場合、開業資金はそれほど大きくはなりません。

ただ、用意できても余裕があるというわけではないでしょう。

 

一般的には、貯金や退職金などで足りない分は、金融機関からの融資でまかなうことになります。

その場合、開業予算を決めなければなりません。

その予算内に収まるように借入も行うので、開店準備は資金がギリギリの場合も多くなるのです。

 

ここで注意しなければならないのが予算オーバーです。

資金不足になる原因で最も多いのは、店舗の物件取得費やお店の内装工事費が予定以上にかかってしまうケースです

 

最初は金額の範囲内で計画していても、準備を進めるうちに、もっといい物件があった、もっといいお店にしたい、あの厨房機器もほしいなどと、出費がどんどん膨らんでしまうのです。

また、予算内に収めたつもりでも、結果的にオーバーしてしまうこともあります。

厨房設備や空調設備の見穣もりが甘く、予想以上の費用がかかってしまうケースです。

 

資金不足に陥らないための基本は、開店に必要な出費項目とその費用の下調べをしっかりと行うことです。

大ざっぱな見積もりで考えてしまうと、必ず予算オーバーという事態を招くことになります。

 

例えば食器を考えてみても、細かく分ければ相当な数になります。

素人でなくても、必要なものを完璧に把握することは不可能でしょう。

 

それでもできるだけ細かく調べて、予算を立てる必要があります。

必要なものはすべて書き出し、その一つ一つの項目について具体的な値段を確認していくのです。

この作業を綿密に行い、必要な出費を確実に積み上げていけば予算オーバーの心配はないでしょう。

 

実績なしでも確実に資金を借り入れる方法

ひと昔前までは、銀行や信用金庫で資金の借入れを行うことができました。

しかし、現在の民間金融機関では、中小企業や個人事業が借入れをするのは難しくなってきています。

 

では、どのように開業資金を準備すればいいかというと、政府系の公的金融機関を利用して準備します

一般にはあまり知られていない金融機関ですが、融資限度額が大きく、金利も極めて低く設定されているのです。

そもそも公的資金は、資金の足りない零細事業者の支援が目的のため貸し渋られることもありません。

 

飲食店を開業する場合、国民生活金融公庫が扱っている「かんえい融資」を利用することができます。

この融資は低利の固定金利で長期返済のため、最も有利で安心な融資先ということができるでしょう。

 

設備資金としての一般貸付の上限は7200万円となります。

もちろん、誰でも限度額まで借りられるわけではありませんが、通常の小さな飲食店の開業費用であれば確実にまかなうことができるでしょう。

 

この融資は、脱サラなど、これまで飲食業に従事していなかった人でも利用することができます。

国民生活金融公庫、または代理店の窓口に行き相談してみましょう。

 

また、飲食店を開業する場合、各自治体の融資制度も利用できると思います。

有利な融資を確実に受けるためには、アンテナを張り情報収集しておかなければなりません。

 

借入先は、金融機関以外にも考えることができます。

最も身近な方法は、身内や知人から借りるという方法があります。

 

もちろん、親のすねかじりでは問題になりますが、金融機関と同じようにきちんと借りるのであれば問題はありません。

むしろ身内や知人なら、経営が軌道に乗るまでは返済を猶予してもらえるなど、メリットがあるといってもいいでしょう。

 

ちょっとした金額の支払いが滞り、事業が台なしになるほど意味のないことはありません。

借金に抵抗感のある人もいるかと思いますが、どこの会社も借金によって成り立っています。

借金と考えるから抵抗感が生まれるだけで、事業の立ち上げ資金を借りるのは、融資を受けるという経済行為なのです

 

また、借金がないと経営が甘くなりがちになります。

経営においては、返済のプレッシャーがプラスに働くこともたくさんあるのです。

そもそも飲食店の経営は、適正な範囲内の借金であれば、無理なく返済できて利益も出る構造になっています。

 

開店準備で最も大切なことは、必要な資金を確実に調達することです。

そのためには、様々な方法を徹底的に調べる必要があるのです。

 

説得力のある事業計画書の作り方

金融機関から融資を受けるには、事業計画書を提出しなければなりません。

事業計画書とは、これからオープンするお店の経営計画のようなものです。

 

事業計画書なしに、いくら「絶対にうまくいきます」といったところで、誰も信じてはくれません。

お店をつくることにより、どれだけの利益が上げられるのか、長期的に利益を上げることができるのかなどを、客観的に説明しなければなりません。

いくら公的金融機関でも、確かな採算性と将来性がある事業でなければ融資をしてもらえないのです。

 

つまり、いかに説得力のある計画書を作れるかが、融資を受けるための決め手になるということです。

どんぶり勘定で経営していては、今の飲食業界で生き残ることはできないのです。

 

このような理由から、全額自己資金で開業するとしても事業計画書は必要になります。

飲食業に限らず、収支計画のいい加減な経営は必ず失敗するのです。

 

事業計画書といっても、決まった書式があるわけではありません。

金融機関に融資を申し込む場合、窓口で所定の用紙をくれるのでそれに書き込むことになります。

ほとんどの場合それほど複雑な書式ではなく、誰でも記入することはできるでしょう。

 

しかし、問題となるのは記入した中身です。

例えば予想売上高の項目に、適当な数字を書き込んだとしても融資担当者は納得してくれません。

事業計画は基本的に数字で示すことになりますが、それぞれの数字に説得力のある根拠なければ、審査が通ることはないのです

金融機関は、確実に返済できると判断した事業でないと、融資してくれません。

 

つまり、提出する書式にかかわらず、自分の頭の中に綿密な事業計画書を作成しておかなければならないのです。

 

事業計画書の作成は、次の3つのポイントを押さえておくとよいでしょう。

・お店の見通しと借入計画

・開店後の経費と売上計画

・予想損益計算書と資金繰り

 

まず「お店の見通しと借入計画」では、立地調査の結果をもとに、お店の営業方針、事業の確実性、将来性について簡潔にまとめていきます。

その上で、開店資金の見積もりを出し借入計画をまとめます。

 

借入計画においては、総投資額に対してどれだけの借入金を予定するかという点が最も重要になります。

必要資金額と自己資金を明確にし、借入金額を決めて無理のない返済計画を立てる必要があるのです。

 

返済計画は、5年間程度の中期事業計画とするのが一般的です。

なぜ5年とするかというと、飲食店の減価償却期間の平均が、大体5~7年だからです。

金額にもよりますが、5年間を何年も越える長期返済や、元金返済額を無理に大きくするのは危険です。

 

「開店後の経費と売上計画」で重要になるのは、開店後の経費をできるだけ正確に予測することです。

健全な経営における経費は、かかった結果ではありません。

あくまで適正な金額にコントロールすべきものなのです。

 

注意しなければならないのは、初期条件の設定です。

この金額は売上高にかかわりなく一定額がかかるため、設定が高すぎると利益が出にくい体質になってしまいます。

とは言え、売上高を大きく見積もる発想は通用しません。

実現可能な売上高でなければ、説得力がないのです。

 

売上計画の予想売上高は、席数と稼働率から算出する方法と、店前通行量から算出する方法があります。

いずれの場合も、「売上好調」「売上標準」「売上低調」の3つのケースを想定しておくといいでしょう。

 

事業計画書の中で最も重要な部分は損益計画ですが、その試算が「予想損益計算書と資金繰り」です。

予測した開店後経費と予想売上高をもとに、月次の損益計算書をシミュレーションとして作成していきます。

この場合も「好調」から「低調」まで3通りの試算をしておくといいでしょう。

 

資金繰り表とは、5年間の資金の流れをまとめたものになります。

この場合の売上高は、予想損益計算書の「標準」の売上高を用いて計画していきます。

この資金繰りで大事なのは、借入金の返済計画との整合性です。

健全な経営を実現するには、返済可能額が返済予定額を上回っている必要があります。

 

このように事業計画書の数字は、すべてがリンクしています。

担当者をごまかそうと、売上高を大きくしても簡単に見破られてしまうのです。

誠実に客観性のある数字を示すことで、融資の審査を通すことができます。

 

FC加盟のメリット・デメリット

フランチャイズチェーン(FC)とは、本部企業と契約し、本部の提供するノウハウにしたがって店舗を運営していくお店のチェーンのことです。

店舗、商品、調理方法、サービス手法からお店の運営ノウハウまで、飲食店経営に必要なすべての要素がパッケージ化されています。

 

飲食店を、実際にオープンしようとすると簡単なものではありません。

そのため開業する人は、準備に取り掛かってみて、その大変さに嫌気がさすものなのです。

 

FCに加盟すれば、大変な作業はほとんど本部が代行してくれます。

ただし、FCに加盟したからといって、必ず成功できる保証はありません。

 

そもそもFCとは、本部と加盟店の共同経営ではなく共同事業となります。

本部と加盟店はそれぞれ別の事業者であり、自店の運営上のリスクについては自己責任となります。

要するに、成功を保証しているのではなく、成功率が高いビジネスを、契約によって提供してくれるだけなのです。

 

つまり、本部に甘い期待をしても裏切られるだけです。

そして、悪いのは本部ではなく加盟店です。

自己責任の原則を忘れてはならないのです。

 

どんなにすぐれたFCに加盟しても、各店の売上はそれぞれの条件によって決まります。

ノウハウが同じでも、立地条件やお店の運営能力には各店により差があるのです。

 

もちろん、優良チェーンの本部は、加盟を許可するまでの調査も慎重に行い、オープン後の指導も充実しています。

その分、独立開業のリスクは軽減され、個人の独立開業に比べて失敗の確率は小さくすることはできます。

 

しかし、どんな事業でも必ずリスクを伴うことを忘れてはいけません

オープン後の成功は、加盟店のオーナーにかかっているのです。オープンの形はどうであれ、飲食店の経営で成功するには、地道な努力を重ねるしかないのです。

 

またFCの場合、既製品を売るビジネスとなります。

お店の個性はチェーンの個性であって、加盟店オーナーの個性は発揮できないのです。

加盟店が勝手なことをしたら、チェーンとしての統一性がとれなくなってしまいます。

 

そのため、自分の個性や考え方を重視したい人はFCには向かないでしょう。

オープン後に嫌気がさして後悔するくらいなら、苦労してでも自力で開業したほうがいいでしょう。

 

FC加盟は、あなたの生き方の問題です。

どちらを選択するかはあなた次第なのです。

自分の性格をしっかりと見つめて、冷静に判断することが大切になるでしょう。

 

商圏を設定する際の注意点

商圏とは、自店のお客様が住んでいたり、勤めていたりする地域の範囲のことです。

つまり、お客様を呼び込むことができるエリアということになります。

一般的に商圏は、距離と人口で表されます。

例えば、お店を起点に半径○kmや、商圏人口は○人、といった感じです。

 

しかし、お店からの時間と人口で考えたほうがより正確といえるでしょう。

なぜなら、お客様が来店する移動手段は徒歩とは限らないからです。

自転車利用のお客様は、同じ所要時間でも移動距離は長くなります。

そして、お客様が消費行動を決定する要因は、目標店までの距離ではなく所要時間なのです。

 

商圏の広さは業態によっても異なります。

価格が高い業態になるほど、商圏は広く設定しなくてはなりません。

なぜなら、価格の高いお店はお客様の利用頻度が低くなるからです。

対して、価格が低い業態の場合は利用頻度が高くなるため、商圏は狭くても十分に成立することになります。

 

お客様の飲食店の利用動機は、「日常的利用動機」と「非日常的利用動機」に分けられます。

そして、価格が低いほど、お客様の利用動機は日常的なものになります。

逆に、「非日常的利用動機」は日常的には発生しません。そのため、利用頻度は低くなるのです。

 

また、商品の特性によっても、商圏の範囲は変わります。

焼肉店のように商品がヘビーなら、利用頻度が低くなるので広い商圏を設定する必要があります。

一方、ラーメンやそば・うどんのような日常的に利用する商品なら、来店頻度が高くなるため狭い商圏でも成り立つのです。

 

一般的に、高級店は大商圏、ポピュラープライス店は小商圏が適していると考えられているのはこのためです。

特に、小さなお店の場合、できるだけ狭く少ない商圏人口で成り立つことが望ましいです

だれもが知っている日常的な商品を、気軽に利用できる価格で提供すれば、人口は少なくても客層の幅が広がり、お客様の来店頻度を高めることができます。

 

ただし、商圏が狭いほど競合店の数が増えることを忘れてはいけません。

ここでいう競合店とは、業態が同じお店のことを指します。

お客様の利用動機が常に発生していれば、競合店とはそれを奪い合う関係になります。

こうなると、同一業態内で価格競争が起こることになります。

 

価格競争になると商品力が問われるため、オリジナリティーのアピールが非常に大切になります。

また、シビアな競争を避けて確実に成功するためには、別業態を検討したり、競合店の少ない立地を選択したりする必要も出てくるのです。

 

家賃の安い立地で成功する方法

飲食店にとって、立地条件は非常に大切な要素となります。

あなたも、できるだけ良い立地に出店したいと思っていることでしょう。

では、良い立地とはどういう立地を指すのでしょう?

どのような基準で立地条件の良し悪しを判断するべきか、これをきちんと理解しておかなくてはなりません。

 

飲食店の立地については、一等地や二等地といった評価がよく使われます。

もちろん、二等地よりも一等地のほうが好条件という意味です。

一般的な考えなら、一等地が有利なのは事実です

 

ただし、一等地なら必ず成功でき、二等地では成功は難しいということではありません。

お店の出店条件を加味すると、一等地がかえって不利になることもあるし、二等地だから成功するケースも少なくないのです。

 

一等地がどのような立地かというと、繁華街や商店街のメインストリートに面しているとか、中心地にある立地のことです。

駅前広場に面していたり、デパートやスーパーなど集客力のある施設が近くにあったり、有名店がたくさん集まっていたりするエリアも一等地といえるでしょう。

 

しかし、当然このような立地は家賃や保証金が高くなります。

また、一等地の根拠に人通りが多いことがありますが、それは競争が激しいことも意味します。

 

それなりにお客様が入ったとしても、高い家賃が利益を圧迫しますし、お客様の回転がいいと人件費も増大します。

しかも、新規客が中心となるので、経営が安定しません。

非常に有利そうに見える一等地も、様々なデメリットが隠れているのです。

 

一方、二等地と呼ばれる場所は、裏通り、路地裏や駅からの所要時間が長い、飲食店の数自体が少ないなどの立地です。

普通に考えれば、不利な立地としか思えないかもしれません。

 

しかし、家賃や保証金が安く済めば、損益分岐点を低くできるので、経営的に見ると大きなメリットがあるといえます。

また、競合店が少なくわざわざ来店するお客様が中心となるため、固定客化しやすいというメリットも見逃せません。

 

一等地のような回転率は望めませんが、人件費を節約することはできます。

要するに、売上高が小さくても利益を出しやすいのが、二等地の隠されたメリットとなるのです。

 

飲食店は、立地だけで繁盛できるものではありません。

小さなお店の場合、少ない客数で成り立つビジネスのため、低投資・高利益をめざすのが最も合理的な戦略といえます。

無理な投資をして、苦しい経営を選ぶ必要などないのです。

 

お客様は、一等地にあるから来店するわけではありません。

自分が気に入るから、来店してもらえるのです。

二等地であっても、ターゲットとする客層と利用動機を訴求できれば何の問題もありません。

 

立地調査で見るべきポイント

候補物件が見つかったら、立地調査を行う必要があります。

立地調査の基本は、その物件を中心に商圏と考えられるエリア内を歩いてみることです。

 

一度だけではなく、いろいろな曜日、時間帯、天気と条件を変えて歩き回ります。

これにより、そのエリアの全体像をざっとつかむことができるのです。

観察するポイントは、町のタイプ、人の動き、他の飲食店がどの辺に出店しているかを中心に見ておくとよいでしょう。

 

さらに、地元の役所や商工会で、人口動向や消費水準、職業構成などを調べるようにしましょう。

事業所や学校もターゲットになる場合は、その規模や数、位置なども把握しておきます。

 

商圏は自店を中心として、円形になるとは限りません。

駅やデパート、大型スーパーなど、消費行動の中心となる施設がある場合は、その施設から自店に向かう方向の商圏は広めに設定することができます。

逆に、片側2車線以上の広い道路や鉄道、川などがある場合、商圏が底で切断されることも考慮する必要があります。

 

立地調査を難しく考える必要はありません。

要は、どんな人が集まる町かできるだけ具体的に掴むようにすればいいのです

役所などでデータを集めるのもそのためで、地域の消費者の生活像が把握できれば、どんな業種や業態が受け入れられるか予測することができるのです。

 

もちろん、大した調査もせずに繁盛しているお店があるのも事実です。

しかし、成功する確立を高めたいのなら、できる調査はやっておくべきでしょう。

例えば住宅地でも、新興住宅地と旧住宅地とでは住民の層が異なります。

そうなると、消費行動も違ってくるのです。

 

また、町は生き物であることを忘れないでください。

現状が、1年後、2年後も続いているとは限らないのです。

道ができたり、大型商業施設がオープンしたりしただけで、人の流れは一気に変わってしまいます。

町の将来像を事前に掴むためにも、立地調査は必要になるのです。

 

お店の運命を左右する物件のチェックポイント

候補物件を判断するためには、物件周辺の立地調査に加え物件自体の調査も必要です。

ここでは物件周辺に絞り、人の動きと競合店の調査方法を考えていきましょう。

 

店舗周辺のチェックポイント

まず、人の動きの調査は、物件の店前通行量調査を実施します。

道端でカウンターをもち、通行人の数を調べている光景を見たことがあると思いますが、小さなお店の場合はそこまでする必要はありません。

 

この調査でポイントとなるのは、性別、年齢層、職業の大まかな傾向を掴むことにあります。

自店のお客様になりそうな人が通らなければ、通行量がたくさんあっても意味がないのです。

 

また、飲食店はその業種業態によって、お客様が入る時間帯に大きな波があります。

そのため、調査の時間帯を1時間ごとに区切り、予定している営業時間の前後1時間まで調査する必要があります。

さらに、曜日別の傾向を掴むには、最低でも平日、土曜、日曜の3回は物件の前で調査する必要があります。

 

郊外型のお店の場合、曜日別、時間帯別のクルマの通行量を調査します。

この時クルマの数だけでなく、車種、1台当たりの乗車人数、ナンバーもチェックするようにします。

この場合は、できればカウンターを使用して正確な数を出したほうが望ましいでしょう。

見るだけだと、渋滞している道路の正確な通行料を把握できなくなります。

 

なお、ロードサイド立地では、中央分離帯の有無や、右折のしやすさも大きなポイントになります。

大きな道路になればなるほど、片側の車線しかお客様を見込めなくなります。

 

周辺の飲食店については、競合店と思われるお店は全てお客様として利用してみた方がいいでしょう。

メニューと価格を見ることはもちろんですが、お客様を注意深く観察することで、客層の動向や消費レベルを掴むことができます。

 

店舗物件のチェックポイント

次に、店舗物件調査について説明します。

ポイントはオープンする業種業態に適しているか、賃借条件が適正かどうかになります。

 

店舗物件は1階だけでなく、2階以上や地下階もあります。

1階に比べて家賃や保証金が安くなり、小さなお店が入りやすい物件を満たします。

ただしこの場合、階段の形態やエレベーターの有無や位置も重要なポイントになります。

 

つまりテナントビルに出店する場合、平面だけでなくタテの条件も重要になるということです。

ここで、1階、2階、地下階の特徴をまとめていきましょう。

 

まず1階の場合、お客様はほとんど抵抗なくお店に入ることができます。

そのため、立体で見た場合の一等地ということができます。

しかし、ほとんどすべての業種業態にとっての好立地となるため、家賃・保証金は高くなります。

 

エレベーターのない2階は、階段を上がるのに抵抗があるお客様が多いため二等地の位置づけになります。

また、階段を降りる地下階の場合は、2階よりもお客様は楽ですがその分目立ちません。

そのため、こちらも二等地となります。

 

しかし、業種業態によって、ビル内立地の評価は変わります。

1階であることが絶対条件になるのは、ファーストフードなど日常的利用動機を取り込む業態の場合のみです。

逆に言えば、それ以外の小さなお店は、無理して1階に出店する必要はないのです。

 

2階の場合、比較的カジュアルな業態が向いており、窓の採光があれば非常に条件はいいといえます。

また、窓からの眺めがいい場合は、一等地と遜色ないケースもあります。

 

地階の場合は、高級感を重視する比較的重い業態に適しています。

隠れ家的な雰囲気を演出できるのも、地階の特徴といえるでしょう。

お店のコンセプトによっては、2階も地下階も一等地になるということです。

 

さらに、フロアの中での位置も重要です。

例えば同じ2階や地下階でも、階段やエレベーターの近くは一等地、ビルの奥の見えにくい場所は二等地となります。

他店や柱などで見えない場所もあるので、そのような場所は避けたほうが無難でしょう。

 

店舗は面積だけでなく、形状もじっくりと検討するようにしましょう。

形によっては席数を取りにくいケースもあるし、柱などの出っ張りも予想以上に邪魔になります。

小さなお店だからこそ、間口の広さにはこだわらなくてはなりません。

 

また物件調査では、ガス・水道・電気の容量は必ず確認しなくてはなりません

容量が足りず追加工事になると、かなりの出費になってしまいます。

さらに、看板やサンプルケースに制限がある場合もあるので、これも確認しなくてはなりません。

 

賃借条件が適正かどうかは、これら店舗の状態を確認して判断していきます。

さらに、保証金の償却や共益費・管理費などの付帯条件についても、慎重に検討しなくてはなりません。

家賃が多少安くても、これらが高かったら意味がないのです。

 

居抜き物件でお得に開店する方法

居抜き物件とは、飲食店として営業していた店舗が、そのままの状態で賃貸や売りに出されている物件のことです。

内装、厨房設備、空調設備などの設備機器類に加え、イス、テーブルなどの什器備品まで、お店の営業に必要なものがひと通り揃っているのです。

 

ただし、賃貸の場合でも、賃貸になるのは店舗だけで、設備や備品類は買い取りになります

そのため、居抜き物件を借りる場合は、保証金の他に造作譲渡代を払うことになります。

 

店舗の契約時に支払う金額だけ見ると高く思いますが、設備や備品類を買わなくて済むため、結果的には安く上げることができるのです。

資金の少ない人にとっては、これを活用しない手はないといえるでしょう。

 

そのまま営業できる店舗のため、自分の思いどおりのお店づくりはできません。

居抜きで借りて、新たに内装をやり直すというケースも考えられますが、譲渡代金を無駄にしてしまいます。

 

白紙の状態からつくるだけがお店づくりではありません。

自分の考えるビジネスの場として成り立つかの判断が大切なのです。

内装の雰囲気などは、ちょっと工夫すれば変えることができますし、資金の余裕ができてから手直しすることもできるのです。

 

居抜き物件で開業する場合、できるだけその店舗のまま生かすことが大前提になります

ここで注意しなければならないのは、内装設備が本当にそのまま使えるのかということです。

 

物件にもよりますが、厨房設備や備品類は見た目以上に傷んでいることが少なくありません。

なぜなら、少し前までは毎日使用していたものだからです。

また、借り手が見つからず長期間放置されていたため、設備が故障しているというケースも考えられます。

さらに、イスやテーブル、トイレなどの水回り、ドアや窓の建て付けにもガタがきている場合もあります。

 

開店後トラブルにならないためにも、全てにおいてチェックは入念に行う必要があります。

できれば、リサイクルショップなどの専門家に頼んで、きちんと点検してもらった方が安心できるでしょう。

 

また、厨房設備や空調設備の場合、リース契約になっていることがあります。

その場合、支払いや保証期間についても、不動産業者を通して確認しておかなければなりません。

これらのチェックをした上で、譲渡代金が適正かどうか判断しなくてはならないのです。

 

そして、居抜き物件を活用する場合、新品を使いたいという欲求はとりあえず抑えておくことが大切です。

細かなものでも買い替えがかさむと、居抜きのメリットがなくなってしまいます。

 

また、お店の業種の関係上どうしても必要な厨房機器類などが出る場合も考えられます。

この場合、スペースやビルの術造上の問題で設置できない可能性もでて来ます。

このようなことも事前に確認しなくてはなりません。

 

開店スケジュールがないと損することに・・・

飲食店のオープンは、大変な作業がたくさんあります。

オープンまでにやるべきことが山ほどあるのです。

さらに、期間は限られています。

忙しさによりモレが発生し、オープン直前に慌てるというケースも珍しくありません。

 

慌てずスムーズに開店するためには、開店までのスケジュールをきちんと立てなくてはいけません。

慌てるだけならいいですが、オープンで失敗すると取り返しがつかないことになりかねないのです

さらに、店舗の賃貸借契約を交わした時点で、家賃は発生しています。

仮にオープンが2週間遅れると、半月分の家賃がムダになるのです。

 

開店スケジュールを立てる最大のポイントは、店舗の内装工事と機器類、什器備品類の納入です。

効率よく進めるためには、店舗の賃貸借契約を結んだら、すぐに工事に入れるよう計画を進めておく必要があります。

設計・施工業者への工事の依頼は、店舗の契約前、手付金を払った時点で行い見積もりを取ります。

この見積もりは、金融機関から融資を受けるときにも必要になります。

 

設計施工業者とは完成までのスケジュールを打ち合わせるので、ここでオープン予定日が決まります。

ただし、業者に依頼したからといって、自分のやる仕事がなくなるわけではありません。

ここを甘く考えると、後で慌てることになってしまいます。

 

モレを出さないためには、計画的に一つ一つ潰しながら進めていくといいでしょう。

そこで、開店スケジュール表をつくって管理する方法がオススメです。

タテにやるべき仕事の項目、ヨコに日付を取った表にして、項目ごとに、取り掛かる日と最終期限を書き込んで作成します。

 

これにより、その日やるべきことと、やるべきことの期限が一目瞭然になります。

うっかりやり残すという心配はなくなり、進行の遅れが出ても早めに対処することができます。

小さなお店の内装工事は、1カ月から1カ月半もあれば完成します。

着実にこなしていかないと、あっという問に過ぎてしまうのです。

 

失敗しない設計・施工業者の選び方

お店の見た目は、設計・施工業者によってずいぶん変わります。

そのため、業者は慎重に選ばなくてはなりません。

 

設計も施工も、飲食店専門の業者を選ぶことが最大のポイントとなります。

一言に設計・施工業者といっても、業者によって得意分野は様々です。

飲食店専門と宣伝している業者でも、業種や業態によって得意不得意があります。

ましてや飲食店の経験のない業者では、カッコいいデザインはできても、動線が考えられておらず機能性や使い勝手に問題が出てくることが多いのです。

 

例えば、カウンターの幅や高さひとつで、お客様の居心地はずいぶん変わります。

そして、お客様に居心地のよさを提供しながら席数を確保することは簡単ではないのです。

実績のある業者と経験のない業者の間には、デザインではなくノウハウにはっきり差が出てきます。

 

また、工事をスムーズに終わらせるためには、内装、厨房、空調の各工事を一括して任せられるところがベストです。

そして、職人、監督を自社で抱えている業者を選ぶようにしましょう。

完成後の手直しなどアフターサービスも考えると、地元の業者がベストです。

なぜなら、下請けばかり使っている業者では、責任の所在が暖味になる危険もあるのです。

 

業者の実績は、これまでに扱ったお店を教えてもらい、そこに訪れることで確認できます。

できればお客として訪れ、居心地や細かい仕上げもチェックするとよいでしょう。

きちんと話を通すことで、厨房も見学させてもらえるかもしれません。

 

そして、最低3社から相見積もりを取って、内容を比較検討することも重要です

これにより、素人でもかなり客観的な判断が下せるようになります。

 

見積書の見方では、「○○一式」という項目がチェックポイントになります。

単純な安さに気を取られてはいけません。

見積書の総額は安くても、他の業者に記載されている項目が抜けていることがあるのです。

このような業者は、後から追加を請求してくるため注意が必要です。

 

業者との打ち合わせにおいては、店舗はあくまでビジネスの場だということを忘れないようにしましょう。

ビジネスという発想が抜けてしまうと、お金をかけすぎたり、業種業態から離れたお店をつくったりしてしまいます。

 

そのため、こちらの希望を無視して得意なデザインを押し付けてくる業者や、打ち合わせの少ない業者はやめておいたほうが無難でしょう。

お客様は店舗デザインだけで呼ぶことはできませんし、打ち合わせが少ないと安心して任せることはできません。

業者選びは簡単ではありません。

しかし、肝心のお店をつくるのは業者のため、安易に決めてしまわないよう心がけましょう。

 

収益性を高める店舗レイアウトとは?

飲食店の店舗は、大きく厨房と客席ホールに分かれます。

理想をいうなら、厨房もホールも広いに越したことはありません。

厨房が広ければ働きやすくなるし、客席が広いと居心地のよい空間がたくさん確保できます。

店舗レイアウト最大のテーマは、限られたスペースの中でこの矛盾をいかにうまく解決するかにあります。

 

小さなお店の場合は、客席数を確保するために、厨房スペースはぎりぎりの広さになります。

ぎりぎりのスペースで、働きやすい厨房を作る必要があるのです。

 

特に調理経験がない場合、業者のすすめるレイアウトのままOKして、後になって後悔することになりがちです。

厨房レイアウトで最も大事なことは、広さや見た目ではなく作業のしやすさなのです

 

例えば、調理にはさまざまな工程があり、一連の動きがスムーズに流れなければ、ピーク時にパニックになってしまいます。

しかも、厨房は一人ではなく、何人かのスタッフが同時に働くことになります。

それぞれのスタッフの仕事がうまく連携できて、お互いに邪魔にならないような動線を工夫しなければ仕事がうまく回らないのです。

 

さらに、まな板やガス台の高さなど長時間働いても疲れないように工夫する必要もあります。

また、盛りつけ台とデシャップ、食器を下げたときの置き場所と洗い場の位置はできるだけ近くに配置しなくては、作業効率が悪くなります。

 

厨房レイアウトは、このような動線を一つ一つ考える必要があります。

いったん工事が終了してしまったら、変更はほとんどききません。

事前にきちんと確認するようにしましょう。

 

一方、客席ホールのレイアウトにおいては、必要な席数を確保することが最大のテーマになります

ここでいう必要な席数は、売上計画を実現できる席数です。

席数は、数が取れればいいものではありません。

1席でも多く取れば売上は伸びそうですが、客席は稼働しなければ意味がありません。

 

例えば、4人掛けテーブルに2人客が座った場合、2席が死に席になってしまいます。

実際、一組当たりの客数は、2~3人程度の場合が多いため、最初から2人掛けテーブルを基本にしておけばいいということになります。

限られたスペースを有効活用するためにも、席の取り方には注意が必要です。

 

小さなお店の場合、オープンキッチンのカウンター席にするという手もあります。

この場合、カウンターの下にバッグなどを置ける棚をつくっておくとよいでしょう。

棚がないと、お客様は荷物で隣の席まで占領してしまいます。

また、イスの間が狭く一人分のスペースが小さいカウンターは敬遠されやすいため、心地よい空間を意識したスペースを確保しておいた方がいいでしょう。

 

客席ホールは、いくらデザイン的にすぐれていても意味がありません。

お客様の居心地感がよく、サービスのための動線が単純かつ距離はできるだけ短くデザインする必要があるのです。

 

できるだけ安くお店をつくる裏技

飲食店は、お金をかければお客様が来てくれるわけではありません。

高級店なら話は別ですが、普通の小さなお店に、本格的な内装や調度品を期待してはいません。

 

お客様にとっていいお店とは、感じがいいお店のことです。

気分よくすごせれば満足するので、内装や装飾に投資したところで興味を持ってもらえないのです。

 

特に、初めて開業する人は、この傾向が強いといえます。

マイホームと同じ感覚で、できるだけ満足のいくものをつくりたくなってしまうのです。

 

しかし、お店はあくまでビジネスの場です。

必要な投資だけすれば、それで問題はありません。

この発想の切り替えができなければ、できるだけ安くお店をつくることは不可能です。

 

最も安くお店をつくる方法は、手頃な居抜き店舗を活用するのが一番です。

設備から什器備品類、食器まで揃っていれば、新しく買うものはほとんど無いと言ってもいいでしょう。

 

居抜き店舗を使わない場合は、安くつくるために知恵を使う必要があります。

そして、すべてをビジネスと割り切って合理的につくらなくてはなりません。

 

また、できるだけ長くもたせたいという思いも、客席ホールの内装にお金をかけすぎてしまう原因となります。

長く持たせようと思うと、いい材料を使いたくなるのです。

 

しかし、お店は材料で決まるわけではありません。

大事なのはデザインより、演出なのです

お客様が求めているものは、他のお店と違って楽しく、くつろげ、豊かな気分になるための演出なのです。

 

雰囲気の演出とは、イメージのふくらみをもたせることです。

例えば、外国のレストランをテーマにするのなら、その国の民芸品が2、3個ポイントとしてあれば十分なのです。

後は、壁紙やカーテンなどで雰囲気を工夫すれイメージは完成します。

 

厨房関係を安く押さえるには、中古品を上手に利用すればいいでしょう。

最近では、中古品といってもちょっと使っただけの、使える機器類がたくさん出回っています。

 

多少の汚れが気になるものもあるかもしれませんが、新品を買ったとしてもいずれは汚れてしまいます。

せっかく念願のお店をつくるのだから、新品を使いたいという気持ちはわかりますが、安く上げたいのなら気持ちの切り替えが必要なのです。

 

お店はビジネスの場であり、内装や機器類は飲食店としての付加価値を生み出すための道具でしかありません。

自分のお店を愛することは大切ですが、趣味とは別物なのです。

この発想の切り替えがきちんとできれば、お金をかけるべき部分と節約する部分が分かるはずです。

 

お客様を集める看板のつくり方

飲食店にとって、看板は非常に重要な集客ツールです。

自店の存在を365日24時間、知らせ続けてくれます

ところが、このことに気づいていない人が非常に多いように思います。

 

だから、多くのお店で申し訳程度の看板しか出していないのです。

それでも繁盛している場合は構いませんが、お客様が少なくて困っているのに、看板を見直そうという発想が出ないのは危険と言えるでしょう。

 

では、どうして看板は重要なのでしょうか。その理由は、看板がなければお店があること自体がわからないからです。

一応は看板を出しているとしても、その看板が通行人の目に止まらなければ、そのお店は認知されないのです。

 

多くの飲食店が看板を軽視しがちな理由に、お店は知られていると思い込んでいることが挙げられます。

ちょっとよく見れば、気づくと思っているのです。

 

しかし、基本的に通行人は、それほど細かいところを見ていません。

自然と目に飛び込んできたもの以外は、ほとんど見ていないといってもいいと思います。

仮に看板が目に入ったとしても、特に目につくものでなければ興味を示しません。

看板は、出していれば見てもらえるものではありません。

嫌でも目につくように仕向けなければ、その威力を発揮しないのです

 

特に小さなお店の場合、1階の路面店でもお店の間口が狭くなるので、お客様の目に入りにくくなります。

それに加え看板も目立たなければ、見過ごされてしまう可能性が非常に高くなるのです。

しかも、実際は小さなお店の場合、2階や地階への出店が多くなるのでますます不利になります。

 

繁盛店になるためには、とにかく目立つ必要があります。

なぜなら、一人でも多くの人にお店の存在を知ってもらう必要があるからです。

飲食店のよさは、実際にきてもらわなければわかってもらえません。

つまりとにかく一度、お店に入ってもらわなければ話にならないのです。

看板は、そのきっかけをつくってくれます。

 

看板で最も大切なことは、遠くからでもはっきりとお店の存在を知らせてくれることです。

なぜなら、お店の直前で看板に気付いても、ほとんどの場合そのまま通り過ぎてしまうからです。

遠くから見つけられ、考える時間に余裕があるから、入ろうか検討してもらえるのです。

 

そのため、看板は取り付ける位置が重要になります。

お店の周りを歩いてみて、最も目立つ場所を確認してみてください。

ビルによっては位置や大きさなどに制約がある場合もありますが、その中で最善の場所を探す必要があるのです。

 

交渉を有利に進める工事中と引き渡し時の注意点

工事に入る前に、近所に挨拶することは非常に大事なことです。

小さなお店の場合、大した工事はしないかもしれません。

期間も1ヶ月~1ヶ月半程度と短く、毎日騒音をまき散らすわけでもないでしょう。

それほど迷惑ではないと思うかもしれませんが、近所にとっては迷惑なのです。

 

また、挨拶の目的は、迷惑をかけるお詫びだけではありません。

れから末長くお付き合いさせてください、という挨拶でもあります

小さなお店は地域密着が基本となるため、近所に嫌われては成功することはできません。

 

工事が始まったら、できるだけ現場に足を運ぶようにしたほうがいいでしょう。

この期間は他のオープン準備も山積みのため、業者任せにしてしまいがちですが、できるだけ時間をやり繰りして現場に足を運んでもらいたいと思います。

 

現場に顔を出す大きな目的は、設計と工程表通りに工事が進んでいるかどうかをチェックすることです。

そしてもうひとつ、工事の人たちとの良好な人間関係を築くという目的もあります

 

どんな仕事でも、やる人の気持ち次第で結果はずいぶんと変わります。

大筋の見た目は大差ないかもしれませんが、細かい部分で必ず仕上がりに違いが出てくるのです。

とくに内装は、ちょっとした仕上げ具合の良し悪しが印象を大きく左右します。

だから、現場に顔を出すときは何か差し入れを持っていき、良好な人間関係を築くことが大切なのです。

 

また、工事中なら手直しがききます。

特に厨房は、工事が進むにつれ実際の仕事が具体的に想定できるようになります。

そこで不具合が見つかったら、多少の追加料金を払ってでも直しておかないと後々困ることになるのです。

 

特に、大型機器類の配置や配管関係の工事は、完成してから変更することは不可能といえるでしょう。

収納棚の高さ、位置なども自分の体に合わせて判断しておいた方がいいのです。

工事の人たちと親しくなっていれば、変更もお願いしやすくなりますし、ちょっとした棚をつくる程度なら無料でやってくれることもあります。

 

引き渡しの段階では、契約した引き渡し日は必ずしも工事完成日ではないということに注意が必要です。

引き渡し日とは、見積書と設計図通りに仕上がっているかを確認する日なのです。

 

店舗の端から端まで細かくチェックし、動くものはすべて動かして確認するようにしましょう。

機器類はもちろん、ドア、窓、棚、引き出しなど、何度も開け閉めして建て付け具合を確認します。

空調設備はできれば半日くらいは運転してみて、きき具合を確認したほうがいいでしょう。

 

問題があれば修正してもらう必要がありますが、修正日を考慮すると工事契約書には、工事が遅れたり補修工事が必要になったりした場合の対処法も明記しておく必要があります。

このような契約事での口約束は、絶対に避けてください。

 

最も有効な営業時間と休日の設定法

多くのお店で、営業時間を業種業態ごとの常識に合わせて決めてしまっています。

例えば、普通のそば屋は夜8時頃に閉店しますが、これは業界の慣習になんとなくしたがっているだけです。

そして、これでは、自店の営業方針がないともいえるでしょう。

 

ここまで極端でなくても、飲食店には常識となる営業時間があります。

それなりの経験則が働いているでしょうから、それを否定する気はありません。

しかし、他店と自店では環境が異なるはずです。

営業時間は、最も効率的に売上を上げることを前提に設定しなくてはなりません。

つまり、他店に追随するのではなく、自店の営業方針によって決定する必要があるということなのです。

 

最悪なのは、お客様ほしさにダラダラと営業を続けてしまうことです。

実際は、人件費や光熱費をムダにしているだけで何の意味もありません。

 

また、営業時間は、業種業態だけでなく、立地条件によっても変わります。

夜10時頃には人通りが絶えてしまう立地と、深夜でも人がよく通る立地では、営業時間が違って当然なのです。

つまり判断の基準は、お客様が見込めるかどうかの一点のみということです。

 

この裏づけを取るために、店前通行量調査が必要になります。

立地調査で、店前通行量調査が不可欠なのは営業時間を考えるためなのです。

どの時間帯にどんな客層が多く通るのかを調査しておけば、どの時間帯にどんな利用動機が発生するかを予測することができます。

だから、最低でも平日、土曜、日曜の3回調査して、曜日ごとの傾向を掴む必要があります。

 

ただし、通常の飲食店の場合、カウンターを使った厳密な調査までは必要ありません。

小さなお店は少数のお客様で成り立つので、おおまかな傾向さえつかめれば十分なのです。

オープン後に誤差が出たとしても、その時点で修正すれば大丈夫なのです。

 

休日の設定にも、エリア内の経験則があります。

しかし、これに追随する必要はありません。

このような慣習は、週のうち最もニーズが少ない曜日ということで決まっています。

 

そして、少ない可能性が高いだけでまったくニーズが発生しないということではないのです。

つまり、他店が休業している曜日は営業して、他の曜日に休むという考え方も成り立つのです。

 

とは言え、年中無休はやめておいたほうがいいでしょう。

最近では年中無休の個人店も少なくありませんが、無理は禁物です。

 

商売は末長く続けていくものなので、疲れが溜まるといいことはありません。

疲れやストレスがお客様に対するミスにつながっていては、何のための年中無休かわからなくなります。

オープン当初は様子を見るために無休で営業するのもいいですが、その後は週に1日、少なくとも月に2、3回は休みを取るようにしましょう。

 

末永く付き合える食材業者の見分け方

飲食業の経験のない人にとって、最も頭を悩ませるのが食材業者選びではないでしょうか。

親しい経営者が紹介してくれるならいいですが、自分で探すのはなかなか大変な仕事です。

 

なぜなら業者選びでは、業者の質、力量を見極めなければならないからです。

調理師の経験のない人の場合、非常にむずかしい課題といえるでしょう。

しかし、難しいからと適当に選んでいては、シビアな競争を生き残ることはできません。

 

特に紹介がない場合は、主要な食材について最低3社は当たるようにします。

有力業者の多くは飲食店の専門雑誌などに広告を出しているので、とにかく問い合わせてみるといいでしょう。

その際、扱い品目や値段の話を聞くだけでなく、サンプルを取り寄せるようにします。

食材を自分の目で確かめて、比較検討することが大切なのです。

 

もちろん見積もりも取りますが、おそらく価格に大きな開きは出ないでしょう。

業種や考えているメニューにもよりますが、扱い品目にも大差はないと思います。

 

ただし、業者によって得意な食材、不得意な食材があることには注意が必要です。

物によっては、品質が大きく違ってくることがあります。

場合によっては、数社と取引してもいいのです。

 

安いに越したことはありませんが、食材は商品の品質を直接左右することを忘れてはいけないのです。

また、業者の力量という点では、どんな便宜を図ってくれるのかが重要になります。

 

そのチェックポイントには以下のようなものが考えられます。

・材料の品質、価格の安定供給を約束できる

・問題があれば返品に応じてもらえる

・業者の通常の配送ルートに乗っている

・生鮮品の場合、週に数回程度、小ロットで小まめに配送してくれる

・イベントなどの企画に協力してくれる

 

安定した仕入れの基本となるのは、業者との良好な関係です

そのため、買い叩き的な態度でいては絶対にいけません。

また、とりあえず使ってみて、期待できないようなら別の業者を探さなくてはなりません。

他の業者に替えたいのに無理して付き合い、成功できないのであれば本末転倒なのです。

 

求めるスタッフを集めるには?

スタッフの募集は、オープン準備の中でも重要な仕事のひとつです。

飲食業は「人」で成り立つビジネスです。

そして、実際にお客様と接するのはスタッフなのです。

つまり、お客様の満足度は、スタッフの働きに左右されるということです。

 

オープン日からしっかりとしたサービスを提供するためには、きちんと仕事ができるように教育訓練する必要があります。

そのため、スタッフ募集は早めにしなければならないのです。

パートやアルバイトだから、ある程度こなしてくれればいいという経営者もいますが、お客様にとっては関係ありません。

接客した人がお店の代表となるのです

 

募集方法は、求人誌や地域のミニコミ誌、店頭の貼り紙、スーパーや駅の掲示板など、様々な種類があります。

しかし、求人は偶然の要素が非常に大きくなるため、どの方法が最も効果的とは言うことができません。

 

とは言え、来てくれた人なら誰でもいいという姿勢はいけません。

人を雇う以上は、どういう人にスタッフになってもらいたいのかを、あらかじめ明確にしておく必要があります。

基準がなければ、面接で客観的に評価することができないのです。

 

調理師を雇う場合は、キャリアだけでなく、自店の規模やメニューに合う仕事をしてきたかが大事なポイントになります。

料理人は腕がよければいいというものではありません。

例えばポピュラープライスのお店の場合、自店の業態に合わない高級メニューが得意でも意味がないのです。

 

また、小さなお店の場合、正社員ではなくパートやアルバイトを雇うことが多くなります。

そして、雇う人が未成年者や主婦の場合は、家族の了解を得ることを忘れないようにしましょう。

家族の承諾なしに雇うと、トラブルに巻き込まれるおそれもあります。

 

小さなお店でも人を雇う以上は、きっちりとした就業規則をつくらなくてはなりません。

就業規則が必要な理由は、複数の人間が働く場では一定のルールが不可欠だからです。

 

また、スタッフから見ても、ルールが決まっていたほうが働きやすくなります。

就業規則には、やるべきこととやってはいけないことを箇条書きにして、なぜその遵守が必要なのかをわかりやすく明記しておくといいでしょう。

 

オープン前トレーニングは絶対に必要

開業する際に意外と忘れがちになるものが、オープン前のスタッフのトレーニングです。

どうして忘れてしまうのかというと、まだ飲食店経営者としての自覚が足りず、お客様に対する甘えがあるからです。

オープン後しばらくの間は、「慣れていない」という言い訳が通用すると思ってしまうのです。

 

飲食店はオープンしたその日から、プロの集団でなければなりません

プロでなければ、お客様からお金をいただくわけにはいかないのです。

知人や友人なら大目に見てくれるでしょうが、赤の他人のお客様ではそうはいきません。

 

もちろん、少しのトレーニングで、プロのレベルに達することはできないでしょう。

また、パートやアルバイトで運営する場合、オープンから何年経っても人材が残ることはありません。

それでも、仕事に就く前のスタッフを教育することは、経営者として当然のことなのです。

 

また、オープン前のトレーニングをしない理由として、「早くオープンしたい」という気持ちがあります。

一般的に家賃は、内装工事が始まった時点で発生しています。

工事中だけでもムダな家賃を払っているので、工事が終了したらすぐにもオープンしたいと考えてしまうのです。

 

しかし、目先の利益に目がくらむと、必ず余計な苦労をすることになります。

特にオープン時の失敗は、なかなか取り返しがききません

実績のあるお店なら多少の失敗は影響ないかもしれませんが、新規開店のお店には実績がありません。

お客様の評価は、これから決まっていくのです。

 

必ず成功させたいと思うなら、ぶっつけ本番は絶対にしてはいけません。

どんなに短くても、3日程度はトレーニング期間を設定しておく必要があるのです。

つまり、それまでにスタッフを決めておく必要があるということです。

 

トレーニングは厨房とホールそれぞれで行い、最後に連携してのチームプレーを反復訓練するといいでしょう。

どのように仕事をすればいいか分からなければ、スタッフは動くことができません。

そのため厨房とホール、2通りのマニュアルも用意しなくてはなりません。

 

トレーニングの最後には、全商品を実際につくり全員で試食することも忘れてはいけません。

調理スタッフに経験させることはもちろんですが、サービススタッフもどんな料理なのかがわからなければ、お客様に対して説明できないのです。

 

効果的にお店を広めるための開店方法

最近ではどんどん飲食店の数も増え、競争の激しい時代となっています。

このような時代で生き残るためには、できるだけ効果的な宣伝を行い、自店の存在を強力にアピールする必要があります。

 

看板や外観を工夫すれば、自店を目立たせることはできます。

しかし、それだけでは多くのお客様の目を引きつけることは難しいといえます。

短期間でお店を軌道に乗せるためには、集中的な宣伝活動が不可欠となるのです

 

飲食店は広告宣伝費を使わない傾向が強いですが、いまの時代では通用しません。

必要な投資をきちんとすることが、確実な成功を手にするための鉄則なのです。

 

宣伝で大事なことは、最も効果の高い方法を採用することです。

当然ですが、宣伝はただ打てばいいというものではありません。

効果が期待できるからこそ、投資する意味があるのです。

 

一般的な方法としては、駅前や店頭でのチラシ配り、各家庭や事業所に対するポスティングがあります。

最近では実践するお店も多く、昔ほどの効果は期待できませんがそれでも一定の効果はあります。

 

重要なのは、徹底的に実施するということです。

オープン後1週間程度は、毎日配布するくらいの意気込みが必要です。

なぜなら、告知というのは反復が重要になるのです。

 

チラシ配りは、暇な時間を利用しての片手間ではいけません。

お店が暇な時間は通行人も少なく、食事ニーズも発生していないため興味をもってもらえません。

できればアルバイトを雇うなどして、効果的な時間帯に配るようにしてください。

この際、ただ配らせるだけでなく、通行人に好印象をもってもらえる配り方と態度を考えないと、返って逆効果になることもあるので注意が必要です。

 

商圏内に事業所が多い場合、営業に出ることも効果的となります。

メニュー表とサービス券を持参して、事業所に挨拶して回るのです。

この場合、営業の対象を選んではいけません。

このような営業は、シラミつぶしにやってこそ効果が上がるのです。

 

ここまでで告知の方法を紹介しましたが、飲食店がいくらでもある時代に、存在をアピールするだけでは安心はできません。

お店を知ってもらうだけでなく、実際に来店してもらうためには、開店サービスの内容が非常に重要になります。

 

一般的に多いのは5%~10%程度の割引サービスですが、この程度のサービスではインパクトがありません。

できれば30%引きくらいの、思い切ったサービスを打ち出すと効果的でしょう。

 

また、価格だけでなく、サービス期間も重要となります。

最低でも1カ月程度は実施しなければ、告知を浸透させることができません。

お客様でいっぱいの光景が、さらに新しいお客様を呼んでくれます。

 

ただし、開店サービスで来店したお客様が、そのまま固定客になってくれるとは限りません。

お客様を確実に引きとめるには、オープン後も続けて販促キャンペーンを打つ必要があるのです。

 

 

飲食店開店で失敗しないために

飲食店を開店するための基本事項は、このようにたくさんの項目があります。

この項目全てを一度にチェックするのは、かなり大変ですし確認モレを起こすおそれもあります。

 

開業で大切なことは、余裕を持って準備を進めることです。

基本事項をその都度チェックしながら、確実に準備を進めてください。

店舗オープンに、焦りは禁物なのです。

 

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この記事を書いた人

これまで、20代前半より8店舗のお店をオープンしてきました。銀行などから融資を受けることなく無借金で10年以上経営するも、自分の将来が見えなくなってしまったため、全て従業員や知人に売却。

その後、店舗の開業、店舗展開に携わり、これまでオープンしてきた店舗は100を超えます。

また、内装の専門家でもあるため、全国各地より『内装支援』の依頼が絶えず来ており、これまでサポートした個人事業主・企業様は500件以上となっています。

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